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  3. 2011年9月15日号(第4号)経営学科教授 小島廣光先生

メールマガジン『がくめっ!』サイドストーリー

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『がくめっ!サイドストーリー』は、メールマガジン『がくめっ!』と連動し、教員や学生などのインタビューを写真をまじえて紹介していきます。
今回は、NPOを長年研究されている経営学科の小島廣光先生のインタビューを掲載。この研究に携わったキッカケから、東日本大震災以降、ボランティアの核となっているNPOとはどんな団体なのかなどもお話してくれています。

経営学科教授 小島廣光先生

小島先生の顔写真

小島先生

>まずは、先生の専門分野についてお話をしてください。

小島「簡単に言うと、NPO(特定非営利活動法人)団体の研究です。もともとは、経営管理システムに関する研究を続けていましたが、あるとき、横浜YMCA予備校を経由して大学に入学したゼミの学生に『予備校を経営している横浜YMCAはNPOだと聞いたが、そもそもNPOとはどんな組織なのですか?』と尋ねられたのがキッカケですね」

>それは、いつ頃の話だったんですか?

小島「確か、1985年頃だと思います。当時、「NPO」や「非営利組織」という言葉は組織学会でもマスコミなどでも聞いたことはなかったんですよ。そして、恥ずかしながら私もその質問に答えることができなかった(笑)。これが一つのきっかけとなって、NPOの研究に着手しました。研究をはじめるとすぐに、NPOが学問的に魅力のある「宝の山」であることに気が付いて、現在に至ります」

>1985年には、社会全体としてNPOは認知されていなかったわけですね?

小島「そうですね。NPO法が施行されたのが、1998年ですからまだまだ認知される前でしたね。だから、当時は僕ぐらいですよ、NPOを研究していた学者は。中には『何やっているんだ?』という人もいたけど、企業だろうがNPOだろうが、経営団体としては同じですからね」

>ちなみに、NPO団体と企業の違いとはなんでしょうか?

小島「基本的にNPO法人は、お金がなくても立ち上げられるということとですね。また、当然、儲けることではなく、啓蒙活動が柱であることなどですかね」

>そして、先生はNPOを研究対象として「面白い」と思ったわけですが、どういうところに魅力を感じられたわけですか?

小島「一昨年あたりから書店にもたくさん並んでいるドラッカーも指摘していますが、
企業の経営もNPOの経営も、「経営」という点では何ら違いがありません。さらに言えば、利潤というボトムラインが明確に存在する企業の経営よりも、それがないNPOの経営の方がはるかにチャレンジングであるんですね。最終的な目標が「利益獲得」となる企業経営とは異なり、NPOの経営には、組織存続のための利益獲得はもちろんのこと,社会的使命の達成というより重要な目標が課される点において挑戦的なので、そこに魅力を感じますね」

>企業経営であれば、利益をあげることが目的だが、NPOはそうではないということに魅力を感じたわけですね。

小島「そうですね。これまでずっと企業経営を研究してきただけに、余計新鮮だったのかもしれません。NPO研究で得られる成果は、企業や政府(国・地方自治体)に対して、これまでとは異なる方向からの指針を与えると思うんですね。これまで日本社会を支えてきた政治・経済・社会のシステムは、現在、軒並み行き詰まり状態にありますよね。この不透明な時代における企業や政府のあり方に対して、NPO研究は企業や政府を対象とする研究からは得られない新たな指針を与えるはずなんですよ」
研究室で机に向かう先生

研究室にて

>新しいヒントがあるんですね。

小島「そういった社会の変化もまたNPO研究を求めていると思いますよ。震災以降の人の想いを見ても分かりますが…あ、ちなみに、NPO法の施行も、阪神大震災が一つのキッカケになったんですよ…」

>阪神大震災がNPOを社会的に認知させたんですか?

小島「そうなんですね…。で、話を戻しますが、日本を含むほとんどの先進諸国において、高齢者福祉、障害者福祉、地球環境保護、青少年育成,草の根レベルの国際交流などの社会的ニーズが急速に高まりつつありますよね。しかし、企業や政府がこれら社会的ニーズを充足するための能力は限界に達しつつある。だから、NPOが企業や政府とともに、人々の社会的ニーズを充足することが不可欠になってくるんです。企業だけ研究しても分からないことが、たくさん見えてくるんですよ、NPOの経営を調べると。」

>確かに3.11の東日本大震災以降、企業もそうですが「ボランティア」の人たちが大きな役割を担っていると感じます。

小島「NPOには、社会的ニーズの充足に加え、人々の社会参加の実現という現代社会にとって非常に重要な機能も持っているんですね。現代社会と政治はあまりにも巨大かつ複雑になってしまった。ですから、個人が市民として責任を持って参加することが困難になって社会に対して一般の人々は日常的に疎外感や孤独感を覚えるようになっているんですよ。その中で、NPOはボランティアに活動の場を提供し、彼らを疎外感から解放して、一人の市民として自らの生活に意義を見出せるような社会参加を実現可能とする役割というか機能を持ち合わせていると考えています」

>ボランティアの語源を調べると「志願兵」というか、やらされるのではなく自ら動くと意味がありますね

小島「ボランティアをやるときも、『誰かのため』だけではなく、活動のどこかで自分も楽しいとか自分にとって何かメリットがあると感じなくては長続きしないんですね。滅私奉公ではないんですよ、今のボランティアは。そういう意味では、大学に入学して何か自分ができることを見つけたら、それがボランティアでもなんでもいいので、積極的に参加してほしいと思います」



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