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  3. 2012年1月30日号(第10号)全学共通担当 山越康裕先生

メールマガジン『がくめっ!』サイドストーリー

札幌学院大学が配信している『がくめっ!』というメールマガジンはご存知ですか?
入試情報や札幌学院大学のインフォメーション、また、キャンパスライフなどが分かる
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『がくめっ!サイドストーリー』は、メールマガジン『がくめっ!』と連動し、
教員や学生などのインタビューを写真をまじえて紹介していきます。
ここでは、全学共通で「論述・作文」を担当されている山越先生が登場。
先生の研究分野であるモンゴルのお話から「伝わる文章」を書くコツまで、
幅広くお話していただきました。

全学共通 「論述・作文」担当 山越康裕先生

研究室にて笑顔の山越先生の写真

山越先生 研究室にて

世界中で、この言語を研究しているのは、僕だけかもしれませんね(笑)

>まずは、先生は大学の頃からモンゴル語を専攻していらっしゃいますが、どんなキッカケで
モンゴル語に興味をもたれたのですか?

山越「実は、みんなに聞かれるのですが…よく分からないんですね(笑)。もともと、語学に興味はあったの
ですが、どこかで『人がやっていないことを勉強したい』という気持ちがあったのが理由かもしれません(笑)。
当時、相撲でもモンゴル人も活躍していませんでしたし、モンゴル語を専攻する人は少なかったですしね」

>そのなかで、現在もモンゴルでフィールドワークを行っているんですよね?

山越「この10年以上は、中国内モンゴル自治区北部に暮らす「ブリヤート」と呼ばれるモンゴル系の
民族集団の言語(シネヘン・ブリヤート語)について、フィールドワークをおこなっています。毎年欠かさず、
夏休みと春休みに行っていますね。帰省する感覚…いや、帰省するよりも行っているかもしれませんね(笑)」

>このモンゴルでのフィールドワークの魅力は。どこにあるんでしょうか?

山越「ここの言葉は、モンゴル語によく似た言語なのですが、音・文法ともに異なる特徴をもっていて、
さらに中国語の影響を受けて変化したと思われる特徴もある言語なんですね。ブリヤートの人々は、
実はロシアにも40万人ほど暮らしています。そのうちの一部が、今から90年ほど前のロシア革命の際に
越境・亡命して中国に移り住むようになったんですね。その子孫(現在約6,000人)が使用している言語が
このシネヘン・ブリヤート語なんですね。この中国側の言葉とロシア側の言葉の変遷が面白いですね」

伝わる文章を書くコツは、全体を考える。段落ごとにまとめる。

>先生は、全学共通で言語学を教えていらっしゃるようですが、それとの関連はどんなところにある
のでしょうか?

山越「はい。研究と授業科目とが対応していないように見えるかもしれませんが、自分の母語以外の言語を
見つめることで、母語である日本語に対しても、客観的に見つめる視点が養われます。どのように表現すればわかりやすく伝わるのか、どのように説明すればよいのかといったことを意識するようになったのは、この研究に従事してきたからだと思っていますね」

>それでは、その大学やオープンキャンパスでの講義のお話を伺いたいのですが?

山越「広く説明すると、文章はいきなり書くのではなく、まずは、全体を考えてから書こう、ということ、
その方法を教えていますね。つまり、言いたいことを脱線しないできちんと話をする方法論ですかね」

>文章できちんと、相手に言いたいことを伝えるのは、簡単そうで難しいですからね。

山越「高校までの国語は文学的な学びが多かったと思うのですが、大学以降、文章を書く上で、
論説的な表現が必要になります。日常、私たちは日本語を自由に使いこなしていますが、
だからといって文章が上手に書けるわけではないんですね。作文技術を向上させるには、一定の規則を学び、かつ訓練をする必要がありますし、
何より大切なのは「読み手」を常に意識すること。どのように書けば読み手にわかりやすく伝わるのか、
どのように書けば読み手も納得してくれるだろうか、そのようなことを意識しながら、規則に沿って書く
ことが求められるんですね」

>相手、つまり読み手のことを考えた文章ということですかね?

山越「そうですね。よく例え話でするのは、文章は料理のコースと同じだ、ということですね。例えば、
コース料理では前菜からメイン、デザートと順を追って出てきて完結しますが、文章の段落もコース
料理の一つひとつだと考えよう、ということを話します。なので、段落ごとに一つのまとまりを持った
文章でないとダメだよ、段落が一つになって文章も完結する、ということをまず理解してもらえるよう
な話をします。どんなにメインがおいしくても、前菜がおいしくないと、コース全体の料理としてダメな
のと同じです」

>なるほど、段落が大事なんですね。

山越「その上で、規則性が大事になってきます。ここでは、長くなってしまうので詳しくは説明できない
のが残念ですが、分かりやすく言うと、まず、完成形を思う浮かべることが大事ですね。料理も完成を
思い浮かべながらするのと同じです。そのために、『読み手のことを考えて』『全体像を思い浮かべて』
『段落をきちんと組み立てる』ことです」

>文章が上手になるコツっていうのはあるんですか?

山越「いろんな文章を読むことで読解力が付きます。でも、とにかく書くことですね。書いて、添削されて、
また書いて…。その繰り返ししかないかもしれませんね。それと、読み手のことを考えることも大事です。
他人に対する心遣い、ですかね」

>それは、大事かもしれませんね。

山越「 他人に対する「心づかい」というのは、他人とかかわる全ての活動に共通して重要なものだと思います。「論述・作文」で教える作文技法もそう。読み手のことを考える、読み手の気持ちになれる、そういう心づかいができることが実は上達につながる大事な要素なのだと思っています」



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