経済学科

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【経済学科】学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査

2016.02.05

お知らせ
経済学部学生の活動を紹介するシリーズの第2弾です.

4年生の 菅原祐輝 君.東日本大震災による岩手県の被害とNHK連続テレビ小説『あまちゃん』による経済効果を卒業論文のテーマに選んだ菅原君は,経済学部のフィールドワーク補助事業による補助を得て,11月28日,29日の両日,『あまちゃん』の舞台である岩手県久慈市を中心に,実際に岩手県に足を運んで,調査を行いました.

以下は,菅原君による見学レポートです.




卒業論文に関する岩手県見学のレポート


菅 原 祐 輝


東日本大震災による岩手県の被害と,NHK連続テレビ小説『あまちゃん』による経済的復興を研究するために実際に岩手県に足を運んだ.
11月27日,苫小牧港から深夜のフェリーに乗り,朝5時ごろに八戸港へ,それから電車で約2時間かけ,8時ごろにドラマ『あまちゃん』のロケ地である久慈市に到着.実際に感じたのは八戸から久慈までの沿岸部の道のり,あまり被害がないように感じた.震災から4年,しっかりと復興が進んでいるという印象をまずうけた.
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
久慈市に到着するとまずは前もって10時に会う約束をしていた久慈市役所へと向かい,そこで観光交流化の中野創一郎さんに震災当時のお話や『あまちゃん』放送時のお話を詳しく聞いた.最後に中野さんと写真を一枚撮らせていただいた.
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
話を聞き終え,次に向かったのは『あまちゃん』によく登場する喫茶店のモデルになったといわれる喫茶店「モカ」である.そこで店主の樋澤正明さんにも当時のお話などを聞いた.突然の申し出にもかかわらず快くお話をしてくださった.震災により工事関係者が多く岩手県に派遣され,その数の多さに盛岡のホテルはいっぱいになり,久慈市のホテルやほかの市のホテルにまで滞在することになり,久慈市もそのおかげでかなり潤った,と実際にリアルな話を樋澤さんに聞かせていただいた.
次にむかったのは『あまちゃん』の主要ロケ地がある小袖海岸.そこで多く写真を撮り,まめぶを食べ,その日は泊まるホテルがある北上市に向かうことにした.
余談だが,小袖海岸に行った後また久地駅に戻り,喫茶店「モカ」に再度顔を出した.するとそこで帰りに「夜ご飯にして食べな」と樋澤さんがタマゴサンドをもたせてくれた.
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
11月28日,岩手県二日目は朝8時くらいに北上市のホテルを出発.震災のダメージが特に大きかった陸前高田市に電車でむかった.電車の乗り換え地である一関市の一ノ関駅(駅名は一ノ関)でアクシデントが起こった.陸前高田市へ繋がる電車が倒木のため当分の間運転を見合わせるということらしい.一関市は内陸部のほうで震災の被害も少なかったがいい機会なので一関の方にも話を聞いてみることにした.そこで一関市を歩いていると一関文化センターという場所に行きあたりそこに入ってみると一関社会福祉協議会の方々が主催のイベントを開催していた.岩手県に4頭しかいないうちの2頭の介助犬がいたり,中学生の吹奏楽部が演奏をしたりボランティアに関する展示物などがそこにあった.そこで社会福祉協議会の佐々木さんにお話を伺った.震災当時のことをなるべく等身大の意見として聞くことができた,またそのときに課長さんを紹介してもらい今どのようなことを社協としておこなっているかなどのお話を伺い,かなり参考になった.こちらのおふた方も突然の申し出にもかかわらず快く丁寧に受け答えをしてくださった.岩手県の方々は本当に素敵な人格の持ち主ばかりだと感じた.
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
その次の電車どころか,またその次の電車も運休となっていた.もし電車が復旧したとしても,陸前高田市まで行き,帰るとなると帰りのフェリーの時間にどうしても間に合わない.そこで気仙沼行きの臨時バスが出ることになったので,気仙沼で見学をすることにした.移動の時間はひとつひとつが二時間くらい乗りっぱなしで,腰がかなり痛くなった.北海道人だからとなめていたが,岩手は意外と広かった.
気仙沼に到着し,観光協会に入りそこで震災当時の写真を撮影.レンタサイクルを借りてタイムリミット1時間くらいの中で急いで見学をすることにした.とりあえず津波が大きかった港へ.びっくりするくらい穏やかでこの港に10メートル以上の津波が襲来したとはまったく思えなかった.
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
港の近くにあった震災復興の仮設商店街があり,そこのお土産屋で女性店員にお話を伺った.一関で聞いた話は内陸地であったため身近に死を感じることはない話だったが,ここでの話は違った.たまたま実家に帰っていたから死ななかったと語っていたがその方が震災当時住んでいたアパートは流され同じパートの人もご近所もみんな流されたと語っていた.たまたま死ななかったなんてフレーズは普通に生きてたらなかなか聞かない言葉で,そのとき妙にリアルに死を感じ,鳥肌が立ったのを今でも覚えている.今話している目の前にいるこの女性の住んでいた場所そのものがなくなったのだ.たまたま生きている.北海道でその時間を普通に過ごしていたら知りえなかった感覚で,それはそれだけで今回のこの被災地見学がものすごく大切な経験だったと実感できたひとつのシーンでもあったと思う.
駅まで帰るときに津波の傷跡が残る家を発見した.テレビの向こうの話ではないと本気で感じた.
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
学生活動報告002 ---岩手県久慈市でフィールドワーク調査
最後に,この旅は自分の人生にとってもかけがえのないものになったと思っている.本で読む,テレビで見る,情報としてはそれで十分かもしれないが,それよりも「肌で感じる」ということが何よりも大事なことなのだろうと,知りえた旅で,自分自身大きく成長した旅でもあったと思う.
このような機会を与えてくださったフィールドワークという制度や,親身になってくれた先生方,なにより突然の申し出にも快く受け答えをしてくださった数々の岩手県の方々にこの場をお借りしてお礼を申し上げたい.
  • 発行日: 2016.02.05