日本語教育・文化プログラム

 このプログラムは、外国人留学生を対象としたプログラムで、参加学生は一ヶ月間、本学で日本語の勉強と文化を学びます。

 今年度は、7月2日から8月1日までの日程で、韓国の東亜大學校(プサン)から24名、建國大学校(ソウル)から5名、崇實大学校(ソウル)から2名、台湾の国立台北大学(台北市)から1名、合計32名が日本語と日本の文化を学ぶために本学へやって来ました。

初日は、ガイダンスを行い、今後の予定や注意事項など生活面の説明を受け、それぞれの宿泊先であるアパートに向かいました。
 7月6日(月)からは本格的に授業がスタート。まずは32名の留学生と3名の日本語講師が自己紹介をし、顔合わせを行いました。自己紹介は全て日本語で行われるので、留学生たちは事前に紙にまとめてから全員の前で発表します。日本に来て間もないので、人前で日本語を話す事になれていない留学生も多く、緊張した様子でしたが、全員しっかりとした日本語で自分のことを話していました。その後、レベルごとにクラス分けする為にレベル診断テストを受けてもらい32名の留学生は3つのクラスに分かれました。 
 午後はキャンパスツアーで学内を案内。 これから一ヶ月間自分達が勉強する教室やG館の学食のほか、図書館やコンピューター室、博物館なども見てまわりました。
 夕方からは、G館8階にて歓迎会を行いました。ここにきて、やっと少しホッとした表情でリラックスした様子を見せていました。食事はバイキング形式。チラシ寿司など、代表的な日本食もあり、楽しんでいたようです。


 レベル別に分けられた3つのクラスでは、それぞれ学生のレベルに合わせた授業を行っています。

 プログラムに参加している学生の目標は様々です。日本語能力試験(JLPT)の1級、2級取得を目指す学生が多いですが、中には、将来日本語の先生になるために更なる日本語能力の向上を目指して本プログラムを受講している学生もいます。授業は、日本語能力試験対策のほか、日本語講師が中心となり日常会話を身近なトピックを題材にしながら練習したり、ときにはゲームを組み込んで、楽しみながらも日本語能力の向上を図ることのできる構成となっています。
        7/2 7/3 7/4
1.2講時
9:10~12:20
        プレイスメントテスト 休息日
3講時
13:10~
      ガイダンス キャンパスツアー
歓迎会
  7/6 7/7 7/8 7/9 7/10 7/11
1.2講時
9:10~12:20
日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス フィールドトリップ
仁木 さくらんぼ山
小樽市内観光
3講時
13:10~
    映画鑑賞   握り寿司体験
  7/13 7/14 7/15 7/16 7/17 7/18
1.2講時
9:10~12:20
日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス フィールドトリップ
旭山動物園
美瑛の丘
ファーム富田
3講時
13:10~
    特別講義:
日本経済
  特別講義:日本事情
  7/20 7/21 7/22 7/23 7/24 7/25
1.2講時
9:10~12:20
海の日 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 宿泊研修2日目
登別地獄谷、
白老アイヌ民族博物館
3講時
13:10~
  特別講義:
日本経済
韓国語、中国語
授業参加
宿泊研修1日目
サッポロビール工場、洞爺
  7/27 7/28 7/29 7/30 7/31 8/1
1.2講時
9:10~12:20
日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 日本語クラス 帰国
3講時
13:10~
浴衣体験       特別講義
修了証授与式
送別会


 基本的な授業は午前中(1、2講目)に行いますが、特別講義やアクティビティなども午後に組み込まれています。
 特別講義では、人文学部長の奥谷教授や、経済学部の佐々木教授、国際交流センター長の諸教授など、経験豊かな教授陣が日本語での講義をわかりやすく行い、学んできた日本語を実践的に授業で試すことができます。

 その他、寿司職人を講師に招いての、寿司握り体験や浴衣着付け体験など、日本の文化に実際に体験しながら触れる機会も用意しています。
 週末には、北海道内の主要観光地を訪れます。

 

 

<第1週目のアクティヴィティとフィールドトリップ>
 本格的に授業が始まった1週目の最初のアクティヴィティは映画鑑賞でした。映画鑑賞会で見た映画は、女優の中山美穂さん主演、岩井俊二監督の日本映画 「ラブレター」です。 この作品は1999年に韓国や台湾で公開されてから、たちまち現地の人たちの間で人気が出た映画です。 物語の舞台は小樽と神戸。第1週目のフィールドトリップで予定していた場所も小樽だったため、留学生は映画を見ることでますます小樽への期待を膨らませていました。
  劇中では俳優が関西地方の訛りで会話することも多く、聞き取りには苦労したと思いますが、字幕なしの日本語音声のみで映画鑑賞に挑戦しました。

 金曜日の午後は握り寿司体験がありました。寿司は留学生たちも大好きな食べ物。 しかも、寿司職人さんに実際に寿司の握り方を教わるとあって、終始楽しそうにしていました。 職人さんが握るととても簡単そうに見えるものですが、そこは何十年もの修行があってこそ。 初めての留学生たちは形にするのに精一杯の様子。 「寿司は心で握ってください」という職人さんの言葉通り、心を込めて握ったお寿司をおいしくいただきました。


 週末は仁木町と小樽へのフィールドトリップでした。 仁木町のさくらんぼ山ではおおぶりの「佐藤錦」がたくさん実っていました。 どれから採って食べようか迷ってしまうほど。 果物狩りは初体験の留学生も多く、時間を忘れてさくらんぼをカゴに入れていました。


 そしていよいよ、映画「ラブレター」の舞台にもなった小樽へ。  小樽ならではの雰囲気、運河、オルゴール堂、北一硝子などに、特に女子留学生は大はしゃぎです。そこで食べたソフトクリームは牛乳の味が濃く、とても美味しかったそう。 他にも日本銀行旧小樽支店などの歴史的建造物へも足を運び、少ない時間ながらも小樽を満喫したようです。 
 小樽を出発する頃には、「もう一度、必ずここに来たいです!」と口を揃えて言っていました。週末のフィールドトリップは、道内の観光名所をまわりながら、異文化に触れ、平日の勉強で疲れた頭をリフレッシュしてもらえれば、との思いで企画しています。このように週末楽しんでもらい、また月曜日からは日本語のクラスに集中してもらいたいですね。

<第2週目の特別講義とフィールドトリップ>
 2週目には水曜日と金曜日の午後に特別講義がありました。 水曜日の3講目には、経済学部の佐々木 洋教授による「日本経済」。 「アンニョンハセヨ! ニーハオ!」から始まった佐々木先生の講義は、日本経済だけでなく、日本の歴史にも触れました。 また、韓国や中国など先生の過去に訪ねた事のある地を示した地図を用い、ご自分の経験談を留学生にわかりやすく話されていました。 

金曜日の3講目には人文学部長の奥谷 浩一教授の「日本事情」。 流暢なハングルと中国語で挨拶されたあとは、朝鮮通信使と当時の日本、縁のある日本の各所について話されました。奥谷先生は、朝鮮通信使がソウルを出発してから、江戸~日光への道程を自身でも訪ねた経験から、様々な写真を用い、興味深いお話をされました。

 2週目の週末フィールドトリップは、旭川~美瑛~富良野をまわりました。 大学を出発し、まずは旭川の旭山動物園へ。 ガラス越しに見る、大迫力の白熊のダイブ、アザラシやペンギンの泳ぐ姿など、とても印象に残ったそうです。 当日はどの動物を見るにも並ばなければなりませんでしたが、それでも、そんな動物たちの姿を見られたことに感動し、写真を沢山撮りました。 旭山動物園を見たあとは丘のまち 美瑛に向かいました。 あいにくの曇り空でしたが、美瑛の丘から見る景色に留学生たちも記念撮影をしながら盛り上がっていました。田畑と色とりどりの花がつくるパッチワークはやはり素晴らしかったです。 そして一行は富良野にあるファーム富田へ。 ファーム富田が遠くから見えてくると、その一面の紫色に学生たちから歓声が上がりました。 ラベンダーはちょうど満開の頃で、見渡す限りの濃紫早咲、おかむらさき、ようてい、はなもいわなどが織り成す紫のグラデーションです。 「花人の畑」ではカリフォルニアポピー、姫金魚草、キンセンカなどの色とりどりの花が咲き乱れ、学生達も「キレイですね!」と興奮した様子で写真を撮っていました。 もちろん、花より団子も忘れず、ラベンダーソフトクリームやメロンパンなどもしっかり味わいました。

<第3週目の特別講義、授業参加、フィールドトリップ>
 連休明けの3週目は 火曜日から始まりました。 水曜日の3講目には経済学部の佐々木教授の第2回目の特別講義が行われ、前回に引き続き「日本経済」を受講。 3週目ということもあり、少しは日本語の聞き取りに慣れてきた頃でしょうか。 いつも手元に電子辞書を置き、わからない単語が出てくるとすぐに辞書で調べます。特別講義は、日本語クラスとは違い、少し難しいトピックに触れたり、違う言い回しが出てきたりと、調べることもメモすることも多いですが、その分勉強になることもとても多いのです。  木曜日にはSGU学生が受講している講義へ参加しました。 韓国から来ている学生は韓国語クラスへ、中国から来ている学生は中国語のクラスへ参加。 ディスカッションを中心とした授業の中で、本学の学生と短い時間ながらも交流をしました。お互いの言語を学んでいる者どうし共感することも多く、話が弾んだのではないでしょうか。
 そして週末は本プログラム最後のフィールドトリップとなる、宿泊研修でした。 金曜日の授業が終わったあと、一行はバスで出発。1日目はサッポロビール千歳工場です。韓国では日本のビールではSAPPROブランドが一番有名です。原料の大麦やホップのお話、仕込み、発酵、ろ過までの説明を熱心に聞きました。製造ラインを見ながらそのオートメーション化された工程に思わず歓声!そして最後に試飲です。工場直結の樽から出されたビールを美味しく味わうことが出来ました。「マシッソョ~」   宿泊は洞爺湖温泉(洞爺万世閣レイクサイドテラス)です。 日本・北海道といえば温泉というイメージがあり、このプログラムの中でも一つの目玉としてきました。 夕食(バイキング)を終えて湖畔からの花火鑑賞、そして交換留学生の主催による懇親会で受講生同士の交流を一層深めることができました。 温泉での浴衣もいい思い出になりました。 2日目は朝から生憎の雨・・でもみんなの普段の行いがいいのか、行くところ行くところ雨の方が避けてくれました。 昭和新山そして有珠山ロープウェイで展望台へ(ほとんど下の景色が見えませんでしたが)  登別では地獄谷を見学、バスを降りると鼻を突く硫黄のにおいと噴気孔から出ているガスが地球の息吹を感じさせます。火山国日本を身近で感じました。 昼食の後、白老アイヌ民族博物館へ・先住民族であるアイヌの歴史や地名の由来、生活など学芸員の先生が韓国語を交え興味を引きながら話されました。その後に民族舞踊や唄など披露していただきました。 そして最後にショッピングの時間を取り19時に大学に戻ってきました。 この宿泊研修で北海道の産業、地理、歴史を短い時間でしたが体験することが出来ました。

 いよいよ最終週です! 短い間でしたが、留学生たちにとっていつまでも記憶に残るプログラムであってほしいですね。  最後の週、月曜日には目玉の一つでもある「浴衣体験」がありました。 男性用の浴衣が2柄、女性用の浴衣が7柄。 その中から自分の着てみたい柄の浴衣を選んでもらい、大学スタッフが着付けを します。 スタッフがまったく予想していなかった柄に人気が集中したので、 そこがまた面白いところでした。 宿泊研修の温泉で着た浴衣とは違い、色とりどりの花柄とキレイな帯、雰囲気のある下駄を身に付けて留学生たちは大はしゃぎ。着付けのあとに記念撮影をしたのですが、順番待ちの学生をよそに、いつまでも写真を撮り合っていました。 

<プログラム最後の特別講義、修了式~帰国まで>

 
さて、いよいよプログラムも終わりです。最終日には、日本語クラス、特別講義、修了証授与式、送別会と予定がたくさんです。
午前の2コマは最後の日本語クラス。 一ヶ月間ともに学んだクラスメート、何より担当の日本語講師の先生とお別れするのはとても寂しそうでした。留学生たちは、それぞれ先生にお礼の手紙を書いてきていたり、こっそり用意していたお別れ会で先生に感謝の気持ちを伝えたりと、心温まる時間を過ごしました。 日本語クラスのあとは、国際交流センター長でもある人文学部教授の諸先生の特別講義でした。講義の中では、武士道について学ぶ事ができました。諸先生は 「文の韓国」・「武の日本」 のような両国間の違いを随所にちりばめ留学生たちにもイメージしやすいように講義をされました。 日本といえば「武士」や「侍」というイメージを持つ外国の方が多いと思いますが、そんな武士のルーツを、当時の人物や出来事とともに知ることができた貴重な時間でした。 そして講義終了後、 本プログラムの締めくくりでもある修了証授与式が行われました。 授与式では、まずセンター長からの挨拶のあと、本プログラムの日本語講師3名を代表して、矢部玲子先生にお話をいただきました。 一ヶ月間を振り返り、授業でしたことや留学生との思い出などを話され留学生たちも感極まった様子でした。本当にもう終わりなんだという実感がそれぞれ沸いてきたのでしょう。その後、諸センター長に一人ずつ名前が読み上げられ、直接修了証書が手渡されました。


「あなたは「2009年度札幌学院大学日本語教育・文化プログラム」において所定の課程を修了しました。よって、ここにこれを証します。」

 修了式のあとは一同揃ってサッポロビール園へ。 一ヶ月間お疲れ様の意味を込めて皆で乾杯! 食事も中盤に差し掛かると、日本語講師の先生方が各テーブルをまわり、学生たちと授業では話しきれなかった話題やプライベートの話などで大盛り上がりでした。
 
留学生の皆さん、一ヶ月間どうでしたか?!

 8月1日(土)はいよいよ帰国の日です。 釜山、ソウル、台北へそれぞれ帰国していきます。 皆一様に来た時よりも増えた荷物を抱えて、搭乗手続き。その後少し時間があったので皆最後の記念撮影に余念がありません。留学生たちにお別れを言いに駆けつけてくださった日本語講師の矢部先生、松尾先生、川原先生も、プログラムが始まったのがまるで昨日のことのようだと振り返ります。 そんな先生方をかこんで写真を撮ったり話をしたり。 また、授業外の様々な場面で彼らをサポートしてくれた本学の学生達もたくさん見送りに来てくれました。そんな留学生を見ていると、この一ヶ月間は留学生たちにとって本当に充実した素晴らしいものだったのだなと実感しました。 いよいよゲートに向かい最後のお別れです。SGU学生や日本語講師の先生方が一人一人に言葉をかけます。 「帰国したらメールしてね」「日本語の勉強続けるんですよ」「また必ず会いましょうね」 感極まって号泣する留学生達。 一ヶ月間、日本語と日本の文化を学びにやってきた彼らですが、それらを通して国籍を超えた絆が生まれたことだと思います。 今年度からスタートした日本語教育・文化研修プログラムでしたが、本当に色々な人たちに支えられて無事に終了することができました。私達、受け入れ側もまた、プログラム運営を通し、留学生たちから学ぶことも多かったように思います。 このプログラムに関係された全ての方に感謝するとともに留学生たちの明るい未来を祈念し、本プログラムのレポートを終了したいと思います。

2009年8月5日 札幌学院大学 国際交流センター

号外として、日本語講師の矢部先生のインタビューを近日中に掲載する予定です。先生から見た留学生たちや、授業の内容などスタッフとはまた違った目線でのプログラムがお伝えできると思います。お楽しみに!

 
札幌学院大学 国際交流センター 011-386-8111 iec-sgu@sgu.ac.jp
069-8555 北海道江別市文京台11番地
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