2月7日
火曜日。日本語の先生4名同行で、全クラスが開拓記念館を見学に行くことになりました。文字通り、北海道の開拓の歴史がわかる博物館です。日本がまだ大陸と地続きになって動物たちが移動していた時代から、ほぼ現代までの様々なものが展示されています。学芸員さんが一緒に歩いて説明してくださいました。日本語の説明がよくわからない人には、少し難しかったかもしれませんが、見るだけでも興味を持てたのではないでしょうか。
ひととおり見学が終わったら、日本の遊びや手作り品などを体験できるコーナーにも行ってみました。けん玉に挑戦したり、羊毛を使って球を作ったり、あやとりなどをしてみんな楽しんだ様子でした。




ひとやすみ、ふたやすみ?… 羊毛の玉を作っています。 けん玉に挑戦中。 うさぎができました!
この日はかなり雪が降っていましたが、前日から札幌では雪まつりが開幕していて、開拓記念館の見学が終わったあとは自由行動だったため、雪まつり見学に行ったグループもあったようです。一方ではこの時期にない暖気によって、会場の小雪像が崩れ落ちるといった事故も報道されていましたが、日本語プログラムの学生たちには影響がなかったのが何よりでした。
2月8日
日本語プログラムに参加している学生は、どこの国であっても誰であっても、みんな平等で、みんな同じように素晴らしいと思っています。しかし、この日だけは、スターが一人いたことを認めます。北京農学院の”イャオイャオ”です。

イャオくんはプログラム期間中、毎日のように大学の音楽室でピアノを練習し、みんなに披露する準備をしてくれていました。
そしてこの日の午後、音楽室で”イャオイャオミニコンサート”が開催されました。学生たちはもちろん、奥谷学長、経営学部の邵先生ほか、多くの教職員も見守る中、イャオくん自身が好きなショパンの3曲と、日本、韓国、中国の音楽計7曲も演奏してくれました。
イャオくんの演奏は、本人の人柄通りの優しい音色で、観客を魅了しました。1曲ごとに、なぜそれを選んだかや、その曲への思いをみんなに語ってくれました。「この曲はとても難しいんです」と言いながらもしっかり弾けているのは、いかに一生懸命練習したかということの証明でしょう。


最後には、その日が誕生日だというイャオくんの友達の
ために、"Happy Birthday"を特別に演奏して、会場のみんなも一緒に歌いました。突然引っ張り出された誕生日の
本人はびっくりした様子でしたが、こんな素晴らしい誕生日は、一生忘れることができないですね。
イャオイャオ、みんなのためにすてきな時間を作ってくれて、本当にありがとう!
2月9日
本日は、握り寿司体験の日です。過去にも日本語プログラムでは何度か行ってきましたが、生ものを扱うため食中毒のおそれなどもあって、前回はあえて開催しませんでした。そのため、久しぶりとなります。中国や韓国の学生の中には、「生の魚はあまり食べられない」と心配する人もいましたが、「とりあえず作る体験をするのが大事だから、食べられなかったら食べたい人にあげましょう」という話をしておきました。



「はせがわ」のベテラン寿司職人、
三田さんです。よろしくお願いします!
なにやらつまみ食いをしている人がいるようにも見えますが、みんな楽しそうにお寿司を握っています。
ご飯粒が手にたくさんつくのが大変だったようです。
三田さんが各テーブルを回りながら、ご飯を取る分量、手の濡らし具合など、目の前で握り方を教えてくれますが、お寿司にも個性が出ます。お寿司というよりは、おにぎりに近いものも
とにかくみんな一生懸命に作りました。



「いちばん上手ですね」とほめられていた韓国の学生。せっかくここでおぼえていったのですから、韓国に帰っても友達や家族にお寿司を握ってあげてほしいですね。
全員がすべて握り終わったころ、ガリと醤油が配られて試食となりました。自分で握ったお寿司の味はどうだったでしょう。
生の魚は食べたことがない、と少し不安がありながらも、今回初めて、思い切って食べてみたという人もいると思います。食べることは生きること、ひとつの国の食文化に触れることは、その国の人の考え方にもっとも近づけるものではないでしょうか。
最後は次々三田さんと撮影会。一見簡単なようで実はけっこう奥深い、お寿司を軽々と握る「寿司マスター」はみんなの尊敬の的でした!

2月10日
あんなこと、こんなこと…で、とうとう2011年日本語教育・文化体験プログラム(冬)も、最終日を迎えました。ホームページでは主に学生たちが楽しんでいる姿をお見せしていますが、基本的には毎日午前中の2講は日本語の授業がびっしり入っているので、必ずしも楽なことばかりではありません。最後の週には、多少疲れが出てきたのか、授業に来られない人もぽつりぽつりといました。
ただ、この1か月、特に事故もなく、誰も大きなけがや病気をしなかったのは本当に幸いです。当たり前ではありますが、その当たり前が守られてこそのプログラムですから、ここまでみんなが無事にたどり着けてほっとしました。
さて、最終日の2講目は、全クラス一緒に生協8階で懇親会を行いました。日本語の先生方を囲んで、お菓子を食べたりジュースを飲んだりしながら、気軽に談笑できる時間です。
授業がすべて終わった解放感からか、みんなひときわリラックスして、明るい表情でした。前日にはほとんどのクラスでテストや面談を行ったため、かなり緊張もあったようですが、ここまできたらもう何も心配することはありません!
ゆったりと最後のお昼休みを過ごしたあとは、いよいよ修了証書授与式です。
まずは奥谷学長にご挨拶をいただき、国際交流委員長である家田先生から、一人一人に修了証書が手渡されました(また、今回は広報課のご協力によりちょっとしたおみやげも付きました)。


それから、日本語講師を代表して大山先生からもお話をしていただきました。大山先生ご自身も今回初めてこのプログラムを担当されて、戸惑ったことなどあったかと思いますが、お話は非常に心にしみる内容でした。また、参加学生からの代表としては、建國大學校のジョン・ミヌくん。当日の朝にスピーチを頼まれたそうですが、しっかりした日本語で期待にこたえました。そして、SGUのサポート学生代表の廣田くん。リーダー役を務めてくれた廣田くんは3月で卒業します。話し始めは笑顔でしたが、次第に寂しさがこみあげてくる様子は、見ていても伝わってきました。


お疲れ様でした。最後に全員で写真を撮影し、修了式はなごやかに終わりました。あとは夜の送別会まで、自由時間です。


送別会は、札幌市内のキリンビール園で行なわれました。奥谷学長、家田先生、邵先生、日本語講師のみなさんはもちろん、別のプログラムで同行されていた東亞大學校のキム先生と国際交流の職員の方も参加してくださり、とてもにぎやかなものとなりました。
ジンギスカン食べ放題はいつもと同じなのですが、今回は雪まつりの時期でもあるため、スペシャルとして北海道のシーフードなどもメニューに含まれています。
とはいうものの、やっぱり人気の中心は「肉」です。話しながら、笑いながら、飲みながら、次々とジンギスカンの肉が消費されていき、そして次々と新しいお皿が運ばれくるのでした。


写真向かって左は、活躍してくれたイャオくんと、「中国から韓国に留学中、日本語プログラムに参加した」東亞の学生です。
右側の写真は、東亞大學校のキム先生らを囲んでのテーブルです。実は、キム先生の娘さんもこのプログラムに参加していました!

同じ大学から来た学生以外は、お互い、プログラムに参加するまでは知らなかった者同士。それが北海道にやってきて、授業や様々なアクティヴィティを通じて、今では仲間になったのですから、不思議なものです。
ちなみに、向かって右側の写真の二人は兄弟ではありません(笑)。 でもひょっとしたら、どこかでつながっているのかもしれません。
終了の時間が来て、解散の合図がかかっても、みんな名残惜しいらしく、なかなかその場を離れようとしませんでした。話は尽きず、どれだけ写真を撮っても足りることなく…まさに、時が止まってくれたらいいと思うような時間だったのでしょう。けれども、そこにずっといるわけにもいきません。
やっと外へ出たと思ったら、そこでもまた寒空の下、別れを惜しんでいました。やがて何人かずつ、「また明日」「おやすみなさい」「ありがとう」と言いながら、家路に向かって行きました。もちろん、二次会のグループもありました。翌日は帰国ですから、集合時間だけには遅れないように…
2月11日
1か月前、出会った空港へ、今日はお別れに向かいます。「帰国」…家族や友達が待っている、慣れ親しんだ環境に帰るのは、もちろん楽しみではあるけれど、せっかく慣れた場所を離れ、仲よくなった友達と別れるのは、なんともいえない寂しさがあります。

45人中43人が、今日、日本を離れます。北京農学院の全員と、ソウルに帰る学生たちのほとんどは、午前中に大学を出発です。
それにしてもみんな、荷物が増えました!
日本語の先生方も、空港まで見送りに
来てくださいました。

北海道は冬の観光シーズンで、空港の国際線カウンターも大混雑。そのため、韓国の学生も中国の学生も、なにはともあれチェックインに入りました。おみやげがいっぱい詰まったスーツケースが重量オーバーになり、その場で慌てて荷物を詰め直す姿も見られました。
「元気でね」「また会おうね」「ありがとうございました」
…こんな会話が聞こえていました。
さまざまな思いを残し、惜しみながら、先発のチームは去っていきました。これほど名残惜しく思ってもらえるくらいの1か月を過ごしてくれたのなら、私たちとしても本当によかったと思っています。
そして夕方には、釜山に帰るチームが新千歳空港に到着しました。こちらも、友達と別れるのが寂しい、帰りたくないと口々に言いながらチェックインに向かっていきました。

日本語の先生方は、釜山チームの帰る時間まで、空港で待っていてくださいました。メリット先生は、生まれたばかりの赤ちゃん(すっかりみんなのアイドルでした!)を連れて大変だったかと思います。
最後のおみやげチェック。
先発隊の別れの時も寂しかったのは変わりないのですが、午後からの人たちがまだいる、という気持ちがどこかにありました。しかし、この釜山チームが行ってしまえば本当にみんないなくなるのです(建國の2名は、翌日帰国しました)。そう思うと余計に寂しさがこみ上げるのでしょう。涙を浮かべ、抱き合い、手を握り合って別れを惜しむあまり、出国時間はぎりぎりに迫り、「お急ぎください」との声がかかりました。


プログラムの時間割だけ見れば、毎回同じようなことをやっているように見えるかもしれません。確かに、基本的な目的は日本語と文化を学んでもらうことですが、そこに参加してくる学生によって、たとえ100回プログラムが続いたとしても、一つとして全く同じカラーにはなりません。そのときそのときによって新しい出会いと発見があり、人により違う感じ方をします。
また、いつも言うことでもありますが、プログラムが終わっても人と人との絆は終りません。色々な手段で学生たちは連絡を取り合い、再会をして絆を強めています。机の上の勉強だけで終わらないのがこのプログラムの魅力だと思っています。
参加した韓国と中国のみなさん、またいつかお会いしましょう!そして、このプログラムに関わっていただいたすべての皆様に、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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