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2011年 日本語教育・文化体験プログラム 冬

2012年1月、本学の「日本語教育・文化体験プログラム」も通算5回目、冬の開催は二度目となりました。
夏の北海道は過ごしやすく、いたるところ花や緑で覆われて美しいのですが、すべてが白い雪に埋もれる寒い冬、これもまた北国らしくて魅力的です。いつも暮らしている私たちにとっては、雪や寒さは時に困りものではある一方、このような環境に初めて出会う人たちにとっては新鮮なものに映るようです。本学では、「寒いから、雪があるから何もできない」と諦めることなく、この時期ならではの魅力も知ってもらおうと、あえて厳冬期に日本語プログラムを開催することにしています。
そして今回、総勢45名の参加が決定しました。
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韓国24名(釜山・東亞大學校13名、ソウル・崇実大學校5名、建國大學校3名、東国大學校慶州キャンパス1名、大田・韓南大學校2名)、中国21名(北京農学院)。なかなかの大所帯です。
国は2か国ですが、各学校のカラー、またもちろん学生それぞれの個性もバラエティに富んでいます。また、このプログラムのサポートをしたいという本学の学生も、交換留学生を含めると60人近くにのぼりました。国際交流に関心を持つ学生は、ますます増えています。 そんな中での、2011年冬のプログラムのレポートです。

snowflake1月10、11日snowflake,         

まず、10日に東亞大學校の13名と東國大學校の1名がやって来ました。到着した時間がすでに夜だったので、その日はアパートに直行するのみ。翌日には崇実、建國、韓南の10名も着き、韓国の学生は全員そろいました。ただ、中国・北京農学院からの参加者は、試験があるため15日まで到着を待たなければなりませんでした。それでも、プログラム自体は一人でも参加者が到着した瞬間から始まっているので、とりあえずできることはしておかなければなりません。
そんなわけで、11日の夜には、サポートのSGU学生も含めて歓迎会を行いました。大雪が降る中、みんな身をかがめて大学から会場の「すたみな太郎」まで歩いて行きました。
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空腹の学生たちにとって、食べ放題は天国です。焼肉、お寿司、デザート、わたあめに挑戦している人もいました。
同じ韓国の学生同士でも、違う大学から来ているのでまだ少し打ち解けない部分はありましたが、これからの1か月で変わるでしょう。歓迎会のあと部屋に集まって飲んだ人たちもいたようなので、すぐに親しくなれると思います。
帰りは再び吹雪の中へ…お疲れ様でした。

snowflake1月12日snowflake
中国の学生の到着はまだですが、この日は朝からプレースメントテストが行われ、日本語のレベルによってクラス分けされました。これまで、プログラムでは3クラスに分けられていましたが、今回は45名という人数もあって、初めて4クラスを設けました。
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写真は向かって左から、Aクラス(入門)担当の大山隆子先生、Bクラス(初級)の松尾浩見先生、Cクラス(中級)のメリット結香先生、Dクラス(上級)の笹山恵利先生です。経験豊かな講師陣です。てきぱきとした中にもやさしさが感じられる先生方に、学生たちもほっとしたのではないでしょうか。
プレースメントテストは、いつも通りペーパーテストから始まり、最後には自己紹介作文を全員の前で読んでもらいます。いくぶん恥ずかしがりながらも、みんなしっかりと日本語で自己紹介ができていました。
そのあと、短い時間ですが顔合わせも含めて、最初の日本語授業が行われました。

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午後からはキャンパスツアーでした。教務課前をスタートして、大学の生協や食堂などをめぐり、図書館では利用の仕方を説明していただき、パソコンが利用できるA館のCALL教室でしめくくりました。 後半、多少疲れた様子でしたが、CALL教室でインターネットを使えるとわかると、ちょっと元気を取り戻したようでした。学生たちが住むアパートでは大体インターネットができないので、不安だったようです。

snowflake1月13日snowflake  

この日は、全国でセンター試験があり、本学も試験会場となっていたため、学生は校内に入れず、日本語プログラムの通常の授業もできませんでした。そのため、日本語の先生方が、学生たちを北海道神宮と大倉山展望台に連れて行くことを計画しました。
jinja1jinja2北海道神宮にて。
まずは手を洗って清めるところから。
でも水があまりにも冷たくて、急いで洗いました。

     おみくじも引いてみました。結果は?大吉の人もいましたね。
                     気になるのは、金運?恋愛運…?

小銭を賽銭箱に投入して、それぞれに参拝をしました。見回せば、まだお正月の余韻が残っている神宮では、屋台も出ていてちょっとしたお祭りのような雰囲気でした。小腹がすいたのか、たこやきをほおばる人も数名いました。あとは休憩所に入り、温かいお茶とサービスのお菓子でほっとひといき。
jinja1jinja4jinja5   次は、大倉山へ。ここでは、希望する人はリフトで頂上の展望台まで上がって、札幌市内の絶景を眺めてもらう予定だったのですが、翌日に大会があるため公式練習をしているとのことで、残念ながらリフトには乗れませんでした。そのため、ジャンプ台を下から見上げて、屋内でゆっくり食事をする時間となりました。ウインタースポーツミュージアムを見学したグループもあり、ジャンプのシミュレーションなどで楽しんだようです。本物のジャンプ台から見える景色は素晴らしいですし、またジャンプ大会自体も迫力あるので、機会があったらまた見てほしいものです。
             okurayamaokurayama

snowflake1月15日snowflake
okurayama北京農学院の学生と、引率の先生2名が到着。この日も大学はセンター試験で入れなかったため、 オリエンテーションなどはすべて第2キャンパスで行ない、それからまっすぐ滞在するアパートへ向かいました。各アパートの部屋は、広くはないですがこじんまりとして清潔で、気に入ってもらえたようです。
本プログラム初の、二回目参加のイャオくんも、パワーアップして戻ってきました。
日本語を学ぶのはまったく初めてという学生も多いですが、期間中、言語だけでなく日本の文化を楽しみ、たくさんの人と交流を深めてほしいと思います。

snowflake1月17日snowflake
この日の3講目、G館の8階で法学部の学生との交流会が開かれました。日本語プログラムの学生と、法学部の学生が混合してグループにわかれ、まずは自己紹介シートに、名前や出身地などを書いていきます。書き終わったら、今度はそれに基づいて地図で示しながら読み上げ、お互いに質問したり答えたりします。hogakubu1hogakubu2各グループには、日本人、韓国人、中国人が混合しています。まだ日本語があまり話せない留学生と、英語があまり得意ではない日本人学生。言葉の壁があって、しばらくはなかなか会話が弾まないようでしたが、次第に(特にお菓子が出されてから?)笑顔が見え始めました。
たとえ言語が同じであっても、知らない者同士が会ってすぐに理解しあうのは難しいことです。大事なのは、伝えようとする気持ちです。身振り、手振り、片言の英語、紙に描いた絵など、使えるものはなんでも使ってコミュニケーションです。お互いの文化や習慣を知り合うことができる、このような機会はぜひとも生かしてほしいものです。
後半は、一部メンバーを入れ替えたりもしましたが、ずいぶんと打ち解けた様子でにぎやかになりました。有意義な時間になったのではないでしょうか。

snowflake1月18日snowflake

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昨年の冬のプログラムから、鶴丸先生のご提案で行なっている、北海道埋蔵文化財センターでの勾玉作り。これが結構好評で、今回もまたさせていただけることになりました。大学から歩いて10分ほどの場所に、北海道の歴史を身近に感じられる施設があるのは非常にありがたいと思います。
センターに着いたら最初は、道内で発掘された土器や埋蔵品などの展示室を見学しました。ここではクイズがあり、展示されている土器などの横に記号が書いてあるものを見つけ、それを配布された用紙に書き込んで言葉を完成させたら、受付の方に記念のスタンプがもらえることになっています。一人が正解すると、次から次へ正解者が現れ、スタンプをもらって嬉しそうにしていました。
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毎回、センターの方がみんなの
ところを回って、親切にわかり
やすく作り方を教えてください
ます。

                     勾玉作りは、1番目の紙やすり、2番目の紙やすり…でひたすらこすって、磨いて、という意外と労力を使う作業です。中には、2番目の紙やすりを使ってくださいという指示が出る前に、すでに3番めの紙やすりがぼろぼろになっていたり、またあまりにも磨き方がうまくて(?)勾玉がずいぶんと小さくなってしまったり、またある人は、角がなかなかとれず苦労していたり、とそれぞれに悪戦苦闘していました。
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サンプルを見ながら、なんとかそれに近いものに仕上げようとみんな
頑張っていました。つやを出して、ひもを通せば勾玉ネックレスの
magatama できあがりです。お疲れさまでした。ちゃんと家に持ち帰って、 家族にも見せてあげてくださいね。
鶴丸先生、今回もありがとうございました。


snowflake1月20日snowflake
夏の日本語プログラムで、Bクラス(中級)とCクラス(上級)が合同で授業時間内にゲームをやったところ、かなりみんな楽しんだようでした。game1そこで、今回はAクラスまですべて一緒にゲームをやることになりました。Aクラス、Bクラスの人たちにはまだ日本語でよくわからない部分もあるかもしれませんが、そこは日本語の先生方が引っ張っていってくださいます。
まずは、歌をおぼえます。日本では有名で、海外でもヒットしたことのある、坂本九の「上を向いて歩こう」ですが、古い歌なので若い学生たちはほとんど知らないようでした。先生がCDで何度かかけたあと、歌詞を見ながら歌いました。数回練習すると、声がそろってとてもきれいに響いていました。
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ゲームは、3チームに分かれて行われました。最初は「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「どうした」を、お互いに相談しないで紙に書き、それらを集めて一つの文章を作るゲーム。バラバラに考えられた言葉をつなぎ合わせた文章は、意味もないけれど(ないからこそ?)おもしろかったり、また偶然うまい具合につながった文になっていて、感心したり。
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そのあとも、「お買い物ゲーム」など、さまざまなゲームで楽しんで、最後はふたたび歌、日本人ならおそらくたいていの人は知っている、「いい湯だな」でしめを飾ります。
game4 音楽を流して、先生方が「ババンババンバンバン♪」の振りをつけながら歌うと、大うけでした。  
「これから機会があると思いますが、日本の温泉に入ったら、この歌を思い出してぜひ歌ってくださいね!」と先生方がおっしゃっていましたが、みんな、覚えていますよね?
                 「ババンババンバンバン♪」 これぞ日本の名曲。歌って踊れば元気が出ます。

       時にはこんなふうに、みんなで笑いながら勉強ができるのも、このプログラムの良いところです。

snowflake1月21日snowflake
いよいよ、地域体験学習(フィールドトリップ)の一回目です。今回は小樽とニセコに行きます。小樽といえばやはり、アジア圏では映画「ラブレター」による知名度が高いようです。特に冬ということで、みんなかなりの期待を胸に、出発しました。幸い、天気も上々です。北一硝子の駐車場に到着すると、すぐに各自思い思いの方向へ散っていきました。
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               定番、オルゴール堂はもちろんチェックですね。                        雪景色がよく似合います。
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オルゴール堂では、お気に入りを見つけて買っている人たちもいました。また、スイーツのお店がたくさんあるので、試食だけでお腹がいっぱいになったと言っていた人も。
何人かは後日、自分たちで再度訪れるくらい小樽が気に入ったようでした。

「もっと小樽を見たい、歩きたい」という気持ちも残しつつ、バスは次にニセコに向かいました。ニセコでは、日帰り温泉が楽しめます。温泉のあるホテルはスキー場が目の前なのですが、雪遊びをするには若干時間が足りなかったかもしれません。ただ、雰囲気はじゅうぶんに味わえたのではないでしょうか。
       niseko1niseko2niseko3        なにしろ現在のニセコは、外国からの観光客(長期滞在、居住している人も増えているそうです)でいっぱいです。こじんまりとしたメインストリートは、まるで日本ではなく、外国の街の一角に迷いこんだような錯覚さえおぼえるほどでした。
日帰り温泉を楽しんだ人たちもいれば、おしゃれなカフェで時間を過ごした人たちもいて、それぞれ短いながらも充実していたかと思います。機会があったら、今度はスキーやスノーボードなどのウインタースポーツを、ゆっくり楽しみに行ってほしいところです。
こうして、本プログラム最初の地域体験学習が無事終わりました。みんな帰り道は多少疲労の色が見えましたが、それでも翌日が日曜日ということで、大学帰着後は食べたり飲んだり会…の人たちもいたようです。さすが若さです。

       niseko4niseko5
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snowflake1月24日snowflake
debate1この日の3講目には、法学部が主催するディベート大会に、日本語プログラムの学生たちも参加することになっていました。昨年の冬にも行われたのですが、留学生が参加すると知ったのは当日で、準備する時間がほとんどなくかなりあわてました。今年はあらかじめ参加を伝えていたため、ある程度の準備はできたと思います。ステージに上がって発表してもらうのは、主にC、Dクラスの学生たちです。それでも、「私の日本語はまだ下手だからだめです!」と尻込みする人多数。
また、テーマが「同性婚について」という独特なもので、各自考え方がかなり異なったせいもあり、ふたをあければ発表者の多数は賛成派となり、反対派がたった四人になってしまいました。
debate2慣れない「ディベート」という形の話し合いと、
相手の話をしっかり聞き取らないと次に進めない、また日本語で簡潔にまとめて意見を言わなければならない、ということで苦戦していたようですが、発表者たちは頑張りました。
一方、発表はせず客席で見守っている学生たちにとっても、何を話し合っているのか実際のところよくわからなくて楽ではなかったかもしれませんが、逃げ出さずに(?)客席から静かに応援している態度は、とてもよかったと思います。

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ディベート大会のあとは、G館8階で大会の表彰式と懇親会が行なわれました。留学生チームで発表した人たちには、特別賞として、大学生協の食堂で使える割引券が贈られました。苦労した分の
ごほうびです。
会場には飲み物やお菓子、軽食などが用意されましたが、表彰式の間はずっとおあずけ状態。やっと解禁となると、みんな緊張状態がとけたらしく、笑顔が戻ってきました。発表した人もしていない人も、お疲れ様でした。

snowflake1月28日snowflake
本格的な日本語授業の2週目が終わる頃には、それぞれのクラスになじんできて、ほとんどの人が生活にも慣れて、落ち着いてきたようでした。そんな中で、28日(土曜日)、二つ目の地域体験学習が終われば、早くも後半戦突入となります。
この日の地域体験学習、最初の行先は旭山動物園です。暖かいところに住む動物たちは冬には見られませんが、ペンギンやホッキョクグマなど、もともと寒い地域に住む動物たちは、冬ならではのいきいきした生態を見せてくれるはずです。
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園内の温度計によれば、この日の気温はマイナス10度。地元の人々にとってはいつものことで、大して驚くほどの気温ではありませんが、普段このような場所に住んでいない人にとっては、かなりの寒さでしょう。
それでもみんな元気に、動物園見学に飛び出していきました。
いろいろな動物たちとの出会いが、待っていますよ!

    矢印下でも、まずは腹ごしらえですよね!      矢印下向き雪だるまよりかわいいのは誰でしょう?いやいや、みんなかわいい(かっこいい)です。
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ホッキョクグマなどは、むしろ夏より元気にうろうろと動きまわっていたかもしれません。
また、元気なのはペンギン。そして冬の旭山動物園の名物といえば、ペンギンの散歩です。
当初、2時半にバスに戻る予定だったのですが、ペンギンの散歩が14時半からで、見たいという希望者が多かったため、急きょ15時に変更しました。

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ペンギンの散歩コース沿道には、大勢の人だかり。見物するお客さんの中からも韓国語や中国語が聞こえて、本学の日本語プログラムの学生たちがどこにいるのかも、よくわかりませんでした。
やっとのことで数名のグループを見つけて一緒に見ていましたが、ペンギンがやってくると「かわいい!」という歓声が上がりました。本当に、見れてよかったですね。

旭山をあとにして、層雲峡へ。層雲峡は有名な温泉地でもありますが、私たちの目的は「氷瀑まつり」を見ることです。
着いたときはまだ日暮れのちょっと前でしたが、ほどなくしてとっぷりと夜に突入し、ライトアップされた氷のオブジェが幻想的に浮かびあがりました。去年もそうでしたが、巨大な氷の迷路やトンネルがおもしろくて、しばらくの間はみんなあっちこっちに行ったり来たりして遊んでいました。
ice1ice2ice3しかし、やはり…寒さは厳しいのです。マイナス20度とまではいかないようですが、十数度、体感温度はそれ以下で、時間がたつにつれて寒さは身にしみてきます。そのため、一人また一人と、暖かい休憩所に走りこんでいきました。いったん中に入ってしまうと、もうなかなか外へ出る気にはなれません。
それでも中には果敢に再び飛び出して行って、もっと写真を撮ったりチューブそりで遊びはしゃいでいる人たちもいました。 ice4ice5

ほどほどに疲れて冷えも限界に
なったであろう頃、ちょうど集合
時間となりました。この時ばかり
は、みんな惜しむことなく、バスに向かいました。
ただ、振り返って見た氷瀑会場は、暗い夜空の下で美しくライトアップされ、本当にきれいでした。

snowflake2月1日snowflake
早くも2月です。月が変わると、プログラムも一気に加速していきそうな感じです。このころになると、みんな日々の楽しみ方を段々と心得てきて、男子は第二キャンパスで集まってスポーツをやったり、誕生日の人がいればパーティーを開いたりと、授業以外でもさまざまなことをやっているようでした。また、中国では春節(旧暦のお正月、韓国でも祝います)を迎えているため、中国の学生たちは集まって料理などをして祝ったそうです。
日本語プログラムでは2月1日水曜日の3講目、奥谷学長の講義が行われました。
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奥谷学長は国際交流に関心が高く、留学生の気持ちもよくわかっていらっしゃいます。ですから、講義は主に日本語で行なっても、日本語がよくわからない学生にも少しでも興味を持ってもらえるよう、地図やイラスト、ご自身で撮影された写真のパワーポイントなど、視覚教材でいろいろと工夫をしてくださっていました。
                             
奥谷学長のこの講義は、普段札幌学院大学の学生にとってもめったに聞くことのできない、日本語プログラムのためだけの特別なものです。講義の内容がしっかりできた人はもちろん憶えていてほしいですし、よくわからなかった人たちにとっても、学長が見せてくださった写真や絵など、何かしら頭の片隅に残って、何かの機会に「そういえばあの時見たものだ」と思い出してくれたらと願います。いつも言うことですが、100%の理解を求めてこうした講義を行っているわけではありません。ただ、一つでも何かを得てほしいと思っています。

snowflake2月3日snowflake
金曜日。1講目の日本語の授業が終わったら、洞爺湖・登別への、一泊の地域体験旅行に出発です。遠出となると、特に冬は天気が心配ですが、この日も幸い良い天気でした。今回のプログラムでは、地域体験学習ではいつも比較的天気に恵まれていました。
kirinbeer2kirinbeer1 スタートは、千歳のキリンビール工場見学から。
なにしろ、サポートの日本人や留学生も含めるとかなりの人数なので、2つのグループに分かれて時間差で見学します。案内係の方が、とてもわかりやすく説明してくださいます。ところどころでモニターの映像を見ますが、その場合は言語を選べることになっています。今回は、英語にしていただきました。
見学が終わったら、おまちかね、ビールの試飲です。みなさん、あくまでも「試飲」ですよ。飲み会ではないので気を付けてくださいね。大丈夫、みんなちゃんとわかっています。とはいえ、飲むときはやっぱり楽しくにぎやかになるものです。キリンビール工場の皆様には、こうしていつも大変お世話になっています。

次に、支笏湖へ向かいます。支笏湖では「氷濤まつり」が開催されていました。前の週に層雲峡の氷瀑まつりを見学しましたが、それとは少し違う感じです。支笏湖の水をくみあげて、スプリンクラーで氷の像や建物を作っているのが特徴です。
    shikotsuko1shikotsuko2shikotsuko3
              氷の「苔の洞門」              大きな体で滑ります。            小さな子がかわいくて、視線集中。 shikotsuko4

「氷濤まつり」では滑り台なども多く、氷瀑まつりより子ども連れの姿が目立ちました。日本語プログラムの学生たちも、次々と氷の滑り台に挑戦していました。おっかなびっくり、誰か一人が滑ってみると自分もやってみたくなるらしく、次々滑ったり転がったりして楽しんでいました。みんなまだまだ子どもですね!失礼しました、「童心にかえった」というべきですね。
集合時間になる頃、ちょうど湖のむこうに太陽が沈む直前で、湖面が光り輝いていました。北海道の冬の美しさ、楽しさがまた一つわかってもらえたでしょうか。夏なら湖畔を散歩したりボートに乗ったりもできるのに、この季節は寒いしボートも無理だけれど、冬でなければ味わえないこともたくさんあるのです。

洞爺湖のホテルに到着したときは、もうすっかり夜になっていて、温泉街のかわいらしいイルミネーションが目に入りました。いや、しかし、その時点でみんなの頭にあったのはひたすら「ご飯」だったかもしれません。お腹がすいていたはずです。実際、いったん各自の部屋に荷物を置いてから夕食会場に入り、「スタート」の合図を受けた瞬間、みんなものすごい勢いでブッフェテーブルに向かっていました。ここでも食べ放題はありがたいものでした。
夕食後、しばらくしたら宴会部屋で二次会が開かれました。
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乾杯~!今度こそは試飲ではなく、本当に好きなように飲める場です(ただし飲みすぎない程度に、ですが)。

ホテルに着いてすぐ部屋に備え付けの浴衣に着替えた人も多く、二次会に至ってはほとんどの人が浴衣姿でした。札幌で買ったという、自前のかわいい浴衣を 着ていた学生も。 浴衣美人ですね。 ――>
        hotel3hotel4
二次会は次第にヒートアップ。ノリノリになっていきました。
なにしろ、全員が揃って飲むのはこれがようやく初めてです。
北京農学院の学生の中では、男性同士のラブショットも…(写真左)。そしてカラオケタイムが始まると、ステージの上ではAKB48や少女時代など、振り付きで披露されました(写真右)。
それにしても、よくマスターしているものですね!
二次会終了後は、温泉やさらに三次会と分かれたようです。

snowflake2月4日snowflake
jigokudani洞爺湖をあとにして、登別の地獄谷へ。夏ならば茶色い岩肌がそそり立つ風景なのですが、今の時期は白い雪に覆われ、ところどころからいかにも熱そうな煙が出ている、荘厳な景色です。ここではまず、修了式でプレゼントする集合写真を撮影します。なにしろ大人数なので、全員をフレームにおさめるのもひと苦労でした。
jigokudani2硫黄が黄色い川のように流れて、独特な
においが立ちこめ、いかにも火山という
感じです。ここで見逃せないのは、間欠泉。規模は大きくありませんが、木で囲いをしてあり、数分おきにボコボコと湧き出します。湧き上がってくると見ている人の間から「おお~」という歓声が上がるとともに、湯気で真っ白になります(眼鏡をかけていると、何も見えなくなります)。
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お湯の温度は約80度なので触れませんが、近くにいると温かくてまた温泉に入りたい気分になってきます。さて、右の2枚の写真ですが、向かって左は近くの商店街で温泉たまごを食べているところです。半熟と完熟が選べます。
その隣、向かって右の写真は…愛です。国境を越えた愛と友情の一枚です。「冬のソナタ」に出てきそうな構図ですね。

再び移動。その間に、登別を出るときに配られたお弁当をバスの中で食べました。到着した白老の「アイヌ民族博物館」では、湖がすっかり凍結して、向こう岸ではテントを張ってわかさぎ釣りをしている様子も見えました。今回とてもラッキーだったのは、チセ(アイヌの家)の中でアイヌの歴史などを説明してくれる方が、韓国語も中国語も堪能なうえ、軽快なテンポでわかりやすく進めてくださったので、聞いている誰もが飽きることなく楽しめたという点です。
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説明のあとは、アイヌの楽器演奏や歌を聞いたり、民族舞踊を鑑賞しました。そのとき、「どうぞ一緒に舞台に上がって踊ってください」との呼びかけがありました。
はじめは誰もが顔を見合わせて、とまどってざわざわしていましたが、一人が思い切ってすっと出ていくと、「自分も」「私も」と、次々飛び出していきました。北京農学院のシャオメン先生も舞台に上がり、学生たちとアイヌ博物館の人たちのあとについて、楽しそうに踊りました。,
踊りが終わると、参加者には記念品が渡されました。

ainu2ainu3「ポロトコタン」とはアイヌ語で、「大きな湖の集落」という意味だそうです。もちろん、現在では場内で展示しているような家で生活しているアイヌの人はいませんが、北海道の大切な文化の一つとして受け継がれ守られています。
この二日間で、北海道の自然や文化、歴史などさまざまなものを体感できたと思います。プログラムも残すところ一週間、元気でがんばりましょう!

ENGLISH VERSION                            雪うさぎ
snowflake2月7日snowflake
kinenkan1 火曜日。日本語の先生4名同行で、全クラスが開拓記念館を見学に行くことになりました。文字通り、北海道の開拓の歴史がわかる博物館です。日本がまだ大陸と地続きになって動物たちが移動していた時代から、ほぼ現代までの様々なものが展示されています。学芸員さんが一緒に歩いて説明してくださいました。日本語の説明がよくわからない人には、少し難しかったかもしれませんが、見るだけでも興味を持てたのではないでしょうか。
ひととおり見学が終わったら、日本の遊びや手作り品などを体験できるコーナーにも行ってみました。けん玉に挑戦したり、羊毛を使って球を作ったり、あやとりなどをしてみんな楽しんだ様子でした。
kinenkan2kinenkan4kinenkan3kinenkan5
     ひとやすみ、ふたやすみ?…        羊毛の玉を作っています。       けん玉に挑戦中。           うさぎができました!

この日はかなり雪が降っていましたが、前日から札幌では雪まつりが開幕していて、開拓記念館の見学が終わったあとは自由行動だったため、雪まつり見学に行ったグループもあったようです。一方ではこの時期にない暖気によって、会場の小雪像が崩れ落ちるといった事故も報道されていましたが、日本語プログラムの学生たちには影響がなかったのが何よりでした。

snowflake2月8日snowflake
日本語プログラムに参加している学生は、どこの国であっても誰であっても、みんな平等で、みんな同じように素晴らしいと思っています。しかし、この日だけは、スターが一人いたことを認めます。北京農学院の”イャオイャオ”です。
piano1piano2 イャオくんはプログラム期間中、毎日のように大学の音楽室でピアノを練習し、みんなに披露する準備をしてくれていました。
そしてこの日の午後、音楽室で”イャオイャオミニコンサート”が開催されました。学生たちはもちろん、奥谷学長、経営学部の邵先生ほか、多くの教職員も見守る中、イャオくん自身が好きなショパンの3曲と、日本、韓国、中国の音楽計7曲も演奏してくれました。
イャオくんの演奏は、本人の人柄通りの優しい音色で、観客を魅了しました。1曲ごとに、なぜそれを選んだかや、その曲への思いをみんなに語ってくれました。「この曲はとても難しいんです」と言いながらもしっかり弾けているのは、いかに一生懸命練習したかということの証明でしょう。
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最後には、その日が誕生日だというイャオくんの友達の
ために、"Happy Birthday"を特別に演奏して、会場のみんなも一緒に歌いました。突然引っ張り出された誕生日の
本人はびっくりした様子でしたが、こんな素晴らしい誕生日は、一生忘れることができないですね。

                   イャオイャオ、みんなのためにすてきな時間を作ってくれて、本当にありがとう!

snowflake2月9日snowflake
本日は、握り寿司体験の日です。過去にも日本語プログラムでは何度か行ってきましたが、生ものを扱うため食中毒のおそれなどもあって、前回はあえて開催しませんでした。そのため、久しぶりとなります。中国や韓国の学生の中には、「生の魚はあまり食べられない」と心配する人もいましたが、「とりあえず作る体験をするのが大事だから、食べられなかったら食べたい人にあげましょう」という話をしておきました。
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sushi3sushi2左矢印「はせがわ」のベテラン寿司職人、
三田さんです。よろしくお願いします!

なにやらつまみ食いをしている人がいるようにも見えますが、みんな楽しそうにお寿司を握っています。 ご飯粒が手にたくさんつくのが大変だったようです。
三田さんが各テーブルを回りながら、ご飯を取る分量、手の濡らし具合など、目の前で握り方を教えてくれますが、お寿司にも個性が出ます。お寿司というよりは、おにぎりに近いものも矢印下   とにかくみんな一生懸命に作りました。
sushi4sushi5sushi6左矢印「いちばん上手ですね」とほめられていた韓国の学生。せっかくここでおぼえていったのですから、韓国に帰っても友達や家族にお寿司を握ってあげてほしいですね。

全員がすべて握り終わったころ、ガリと醤油が配られて試食となりました。自分で握ったお寿司の味はどうだったでしょう。
生の魚は食べたことがない、と少し不安がありながらも、今回初めて、思い切って食べてみたという人もいると思います。食べることは生きること、ひとつの国の食文化に触れることは、その国の人の考え方にもっとも近づけるものではないでしょうか。
最後は次々三田さんと撮影会。一見簡単なようで実はけっこう奥深い、お寿司を軽々と握る「寿司マスター」はみんなの尊敬の的でした!
                                                                      まぐろ
      sushi7 えび

snowflake2月10日snowflake
あんなこと、こんなこと…で、とうとう2011年日本語教育・文化体験プログラム(冬)も、最終日を迎えました。ホームページでは主に学生たちが楽しんでいる姿をお見せしていますが、基本的には毎日午前中の2講は日本語の授業がびっしり入っているので、必ずしも楽なことばかりではありません。最後の週には、多少疲れが出てきたのか、授業に来られない人もぽつりぽつりといました。
saishubi1ただ、この1か月、特に事故もなく、誰も大きなけがや病気をしなかったのは本当に幸いです。当たり前ではありますが、その当たり前が守られてこそのプログラムですから、ここまでみんなが無事にたどり着けてほっとしました。
saishubi2さて、最終日の2講目は、全クラス一緒に生協8階で懇親会を行いました。日本語の先生方を囲んで、お菓子を食べたりジュースを飲んだりしながら、気軽に談笑できる時間です。
授業がすべて終わった解放感からか、みんなひときわリラックスして、明るい表情でした。前日にはほとんどのクラスでテストや面談を行ったため、かなり緊張もあったようですが、ここまできたらもう何も心配することはありません!

ゆったりと最後のお昼休みを過ごしたあとは、いよいよ修了証書授与式です。 まずは奥谷学長にご挨拶をいただき、国際交流委員長である家田先生から、一人一人に修了証書が手渡されました(また、今回は広報課のご協力によりちょっとしたおみやげも付きました)。
   ceremony1ceremony2ceremony3    それから、日本語講師を代表して大山先生からもお話をしていただきました。大山先生ご自身も今回初めてこのプログラムを担当されて、戸惑ったことなどあったかと思いますが、お話は非常に心にしみる内容でした。また、参加学生からの代表としては、建國大學校のジョン・ミヌくん。当日の朝にスピーチを頼まれたそうですが、しっかりした日本語で期待にこたえました。そして、SGUのサポート学生代表の廣田くん。リーダー役を務めてくれた廣田くんは3月で卒業します。話し始めは笑顔でしたが、次第に寂しさがこみあげてくる様子は、見ていても伝わってきました。
         ceremony4ceremony5ceremony6            お疲れ様でした。最後に全員で写真を撮影し、修了式はなごやかに終わりました。あとは夜の送別会まで、自由時間です。
     ceremony7ceremony8
                     snowline
kirin1送別会は、札幌市内のキリンビール園で行なわれました。奥谷学長、家田先生、邵先生、日本語講師のみなさんはもちろん、別のプログラムで同行されていた東亞大學校のキム先生と国際交流の職員の方も参加してくださり、とてもにぎやかなものとなりました。
ジンギスカン食べ放題はいつもと同じなのですが、今回は雪まつりの時期でもあるため、スペシャルとして北海道のシーフードなどもメニューに含まれています。
とはいうものの、やっぱり人気の中心は「肉」です。話しながら、笑いながら、飲みながら、次々とジンギスカンの肉が消費されていき、そして次々と新しいお皿が運ばれくるのでした。
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写真向かって左は、活躍してくれたイャオくんと、「中国から韓国に留学中、日本語プログラムに参加した」東亞の学生です。
右側の写真は、東亞大學校のキム先生らを囲んでのテーブルです。実は、キム先生の娘さんもこのプログラムに参加していました!

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同じ大学から来た学生以外は、お互い、プログラムに参加するまでは知らなかった者同士。それが北海道にやってきて、授業や様々なアクティヴィティを通じて、今では仲間になったのですから、不思議なものです。
ちなみに、向かって右側の写真の二人は兄弟ではありません(笑)。 でもひょっとしたら、どこかでつながっているのかもしれません。

kirin6終了の時間が来て、解散の合図がかかっても、みんな名残惜しいらしく、なかなかその場を離れようとしませんでした。話は尽きず、どれだけ写真を撮っても足りることなく…まさに、時が止まってくれたらいいと思うような時間だったのでしょう。けれども、そこにずっといるわけにもいきません。
やっと外へ出たと思ったら、そこでもまた寒空の下、別れを惜しんでいました。やがて何人かずつ、「また明日」「おやすみなさい」「ありがとう」と言いながら、家路に向かって行きました。もちろん、二次会のグループもありました。翌日は帰国ですから、集合時間だけには遅れないように…

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1か月前、出会った空港へ、今日はお別れに向かいます。「帰国」…家族や友達が待っている、慣れ親しんだ環境に帰るのは、もちろん楽しみではあるけれど、せっかく慣れた場所を離れ、仲よくなった友達と別れるのは、なんともいえない寂しさがあります。
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45人中43人が、今日、日本を離れます。北京農学院の全員と、ソウルに帰る学生たちのほとんどは、午前中に大学を出発です。
左矢印それにしてもみんな、荷物が増えました!
         日本語の先生方も、空港まで見送りに
           来てくださいました。右矢印

airport3airport4北海道は冬の観光シーズンで、空港の国際線カウンターも大混雑。そのため、韓国の学生も中国の学生も、なにはともあれチェックインに入りました。おみやげがいっぱい詰まったスーツケースが重量オーバーになり、その場で慌てて荷物を詰め直す姿も見られました。
    「元気でね」「また会おうね」「ありがとうございました」
              …こんな会話が聞こえていました。

さまざまな思いを残し、惜しみながら、先発のチームは去っていきました。これほど名残惜しく思ってもらえるくらいの1か月を過ごしてくれたのなら、私たちとしても本当によかったと思っています。
そして夕方には、釜山に帰るチームが新千歳空港に到着しました。こちらも、友達と別れるのが寂しい、帰りたくないと口々に言いながらチェックインに向かっていきました。
airport5airport6日本語の先生方は、釜山チームの帰る時間まで、空港で待っていてくださいました。メリット先生は、生まれたばかりの赤ちゃん(すっかりみんなのアイドルでした!)を連れて大変だったかと思います。

左矢印最後のおみやげチェック。

先発隊の別れの時も寂しかったのは変わりないのですが、午後からの人たちがまだいる、という気持ちがどこかにありました。しかし、この釜山チームが行ってしまえば本当にみんないなくなるのです(建國の2名は、翌日帰国しました)。そう思うと余計に寂しさがこみ上げるのでしょう。涙を浮かべ、抱き合い、手を握り合って別れを惜しむあまり、出国時間はぎりぎりに迫り、「お急ぎください」との声がかかりました。
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プログラムの時間割だけ見れば、毎回同じようなことをやっているように見えるかもしれません。確かに、基本的な目的は日本語と文化を学んでもらうことですが、そこに参加してくる学生によって、たとえ100回プログラムが続いたとしても、一つとして全く同じカラーにはなりません。そのときそのときによって新しい出会いと発見があり、人により違う感じ方をします。
また、いつも言うことでもありますが、プログラムが終わっても人と人との絆は終りません。色々な手段で学生たちは連絡を取り合い、再会をして絆を強めています。机の上の勉強だけで終わらないのがこのプログラムの魅力だと思っています。

参加した韓国と中国のみなさん、またいつかお会いしましょう!そして、このプログラムに関わっていただいたすべての皆様に、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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