神谷 章生
アメリカは市場を重視する社会保障体制を整備してきた国家であり、国民の健康保険も民間保険中心に供給されている。かつてはそれなりに機能してきた個のような体制が、90年代以降無保険者の増大で社会問題となっている。そして無保険者は、アメリカ社会の下層中間層の貧困への転落と結びついたものとなり、人口国家アメリカの社会的つながりを破壊しつつある。このような事態を読み解くことで、アメリカの政治転換の可能性を理解しようとしたものである。
本人担当部分
第8章 下層中間層の没落と再建〜アメリカ医療保障の政治経済学
高橋進編『包摂と排除の比較政治学』ミネルヴァ書房 2010年。