〈お知らせ〉人文学部30周年記念

人文学部創立30周年記念講演とシンポジウムが開催されました(11/8)

11月8日(土)、強い風に雪が混じる悪天候の中で開催された人文学部30周年記念講演・シンポジウムに学生教職員はじめ地域の方々、また退職された人文学部の教員等、200名を超える方々が参加しました。
冒頭、奥谷浩一人文学部長より、1977年に学部が発足して以来、人文学部は有意で個性的な人材を輩出することを心がけてきたことと、それを支えてくれた地域社会への感謝の意が述べられました。
まず、東京農業大学石弘之教授が「地球と人類の未来」と題し、地球規模の環境危機が起こっている現実について講演しました。「鳥インフルエンザや西ナイル熱などの新型ウイルスの発生、地球上の食糧の備蓄が減っている一方で毎年8000万人の人口が増えている状況、食糧自給率の低下や化学物質による畑や土の酷使、経済危機や環境の変化による食料価格の急騰から引き起こされるインフレや消費減、社会不安。今の地球の危機を正しく知り、この現実を変えていくのが環境活動であり、私たちの責任です」と呼びかけました。

この後のシンポジウムでは、3名のパネラーが「家族・学校・地域の再生を考える」の統一テーマで登壇。
村瀬嘉代子北翔大学大学院教授は、養護施設の子どもたちとの体験等を交えながら、「自分の生を享受し、また資質を存分に発揮し、相互に認め合い分かち合ってこそ自分らしく生きられる」と語りました。
才村純関西学院大学教授は、子ども虐待防止の観点から、増加する虐待相談の背景と家庭の変化に着目しながら、行政が子育てにかかわること、子育てを社会化してゆくことの重要性を述べました。
安岡譽札幌学院大学教授は、家族の役割を再認識することにより、家族関係の希薄化の進行を食い止める可能性が生まれてくると述べ、人間の再生とは、矛盾した存在を素直に引き受けるという気づきである—とまとめました。
会場からは、世代間に感じられる人間関係の断裂にどのように対処してゆくとよいのか、地域社会のつながりをどのようにつくることができるのか等、また、子育てや虐待に関して、現在は家族の養育力の低下だけが原因ではなく、評価の基準や求められるものが時代とともに変化しているのではないかという意見があり、テーマにふさわしい活発なシンポジウムになりました。

  • 発行日: 2008年11月12日