〈お知らせ〉総合研究所記念講演

総合研究所発足記念講演会・シンポジウム「今日の日本社会と人権」を開催(1/24)

1月24日(土)、本学SGUホールにおいて、札幌学院大学総合研究所発足記念講演会・シンポジウムが行われました。終日のテーマは「今日の日本社会と人権」で、社会・人文科学系の総合大学として、研究の基本問題である「社会と人権」を考える一日となりました。
午前中は布施学長の挨拶のあと、伊藤雅康法学部教授(公法学)の講演、「世界人権宣言の60年と日本国憲法」がもたれました。伊藤教授は、国際社会における人権の議論の推移と国際連合における合意形成の過程を俯瞰すると同時に今日的な課題を整理して述べられ、午後の議論のベースを作られました。

   伊藤雅康法学部教授

午後はテレビジャーナリストの水島宏明氏(日本テレビ解説委員)の講演、「民主主義とメディアの役割─『ネットカフェ難民』取材の現場から」で始まりました。「ネットカフェ難民」という言葉の生みの親である水島氏はこの20余年、貧困問題のテレビ報道に携わってきた立場から、日英の問題のとらえ方の相違、わが国の貧困問題の現状についてお話をされました。映像を交えながらの説得力のあるお話に、聴衆は引き込まれていました。

   テレビジャーナリスト 水島宏明氏

水島氏の講演の後、「今日の日本社会と人権─反貧困戦略と社会科学研究」と題したシンポジウムが持たれました。シンポジストは片山一義経済学部准教授(社会政策)、井上芳保社会情報学部教授(社会学)、清水雅彦法学部教授(憲法学)で、講演を終えた水島氏も加わり、司会は松本伊智朗総合研究所長・人文学部教授(社会学)がつとめました。
片山准教授の報告「日本の格差社会・貧困問題の論点─社会政策研究の立場から」は、北海道の雇用・生活の現状について実証的に論じたあと、最低限保障の政策的課題について論及するものでした。井上教授の報告「貧困の語られ方とその効果」は、社会意識のありようと現実の政策の方向の関連に言及したあと、貧困をめぐるメディアの言説の重要性について論じられました。清水教授の報告「新自由主義改革・貧困問題を憲法学からどうとらえるか」は、今日の新自由主義的な政策動向の問題を指摘した後、日本国憲法の持つ可能性について具体的に論及されました。水島氏からは、メディアと研究の役割についてコメントがあり、会場からもいくつかの質疑がなされました。

当日は学内外から、150余名の方の参加を頂きました。人権は社会のあり方を考える基本概念です。貧困は今日の社会が直面する高度な応用問題です。この二つの問題を同時に遡上にのせる試みは、社会・人文科学の総合大学である本学の研究所として、ふさわしい出発点になったと同時に、これからの課題を考えさせられた有意義な一日でした。
 

   シンポジウムの様子

  • 発行日: 2009年02月03日