〈お知らせ〉資本論と貧困を考えるシンポジウム開催

「資本論と貧困を考えるシンポジウム」が開催されました(9/4)

9月4日、基礎経済科学研究所(京都)と本学教員有志が主催、国鉄労働組合北海道本部と札幌学院大学総合研究所の後援で「資本論と貧困を考えるシンポジウム」が本学社会連携センターで開催され、市民、学生、研究者など40名が参加しました。

まず基調報告として、京都大学教授 大西 広氏(基礎経済科学研究所理事長)が「基礎研人間発達論と『資本論』」と題し、大要次のような話をされました。

「社会の法則を理解することで未来社会を構成する人々がどのような特徴を持っているかが明らかになる。このことを理解すれば、たとえば資本と対抗する労働組合の課題としてどのような人々を組織していかなければならないかがわかる。京都建設労働組合は、最初は大工さんの集まりだったが、実際に建築現場で主流になっているのは企業に雇用された建築労働者であって、彼らを対象にすることで大きく組織が伸び、現在発言力を増している。これは経済環境の変化であって、この変化を法則的につかむことで将来の社会を見通すことができる。資本論は、そういった知見の宝庫である。貧困の問題も、こういった資本論の法則的認識の上で理解することが必要だ」。

基調報告する 大西 広 氏

これに対し、青木 紀氏(北海道大学教授)は、現実の貧困問題と資本論や基礎研の人間発達論を架橋する議論が必要であると問題提起されました。宮田 和保氏(北海道教育大学教授)は、近代経済学は現在、第三の危機状況を呈しており、資本論を軸とするマルクス経済学は新しい問題提起をしていかなければならないと強調されました。また高懸 雄治氏(本学名誉教授)は今こそ貧困化論を深める必要がある、そして格差社会論は階級社会論として提起されなければならないと述べられました。ほかに浅川 雅巳氏(本学准教授)、増田 和夫氏(京都経済短大講師)らが
討論者として発言しました。

貧困問題は、多様な分野から議論されていますが、経済学や政治学からのアプローチも求められていると感じさせるシンポジウムでした。
(神谷 章生 法学部教授)
  • 発行日: 2009年09月14日