〈お知らせ〉人文学部公開講座岸野さん

人文学部公開講座 —被災地に入って−東北大震災の現場から見たこと・感じたこと—  岸野亮哉さん(写真家・僧侶)が被災地の現実を語る

特別講座 震災ボランティアを希望する学生へ向けて

 去る7月13日に岸野亮哉さん(写真家・僧侶)を本学に迎えてG館ホールで第2回目となる震災ボランティアのための特別講座が開講されました。
 講師の岸野さんは、長く海外の紛争地や災害被災地に出向いて、人々の生と命を見つめる仕事を続けてこられました。今回の震災でも、海外取材経験を生かした独自の支援活動をいち早く展開されています。また、岸野さんは僧侶として被災地において死者を弔うという役割も果たしてこられました。

日常が奪われる途方もない重み

 いつもとは違う水を打ったように静まりかえった講堂。200名近い学生が岸野さんの淡々とした語りに耳を傾けました。スクリーンには被災時のままの現地の風景とそこで暮らす人びとの生活の断片が映し出され、講演を聞いた学生は、人の人生とそれを奪う災害の不条理に大きなショックを受けた様子でした。特に、僧侶として安置所や火葬場での付き添いと弔いに携わってこられた話は、家族、友人、恋人といったかけがえのない人の命が失われることの、その途方もない重みを思い知らされる内容でした。死者・行方不明者の数字の背後には、同じ数だけの人々の失われた日常があるのだという当たり前の事実が実感を伴って伝わってきました。

   講演する岸野亮哉氏 (スクリーンには被災地の様子が)

 無関心が一番怖いことだと感じた

 講演後の感想には、「もう終わったことのように受け止めていた自分に気付いた」、「復興、がんばろう、では済まされない現実があると思った」、「無関心が一番怖いことだと感じた」、「何か自分なりにできることをしたいと強く思った」といった声が聞かれました。そのなかで、岸野さんのおっしゃった「それぞれの生活があり、人それぞれに復興の意味が違う」という話は、私たちがどのようにこの問題に関わっていくべきかを考えるうえで、大きなヒントになったのではないでしょうか。

 岸野さんは帰り道、今日の講演を通じて知ることの大切さ、伝えることの大切さをわかってくれれば、それだけで十分だとおっしゃっていましたが、それ以上のことが参加者のみなさんに伝わる講演会になったのではないでしょうか。
  • 発行日: 2011年07月22日