平成18年度入学式 祝辞

学校法人札幌学院大学 理事長 伊坂重孝

今日、ここに平成18年度札幌学院大学及び大学院入学式にあたり、入学生の皆さんに一言お祝いの言葉を申し上げます。

また、これまで皆さんを慈しみ育んで来られたご両親、ご家族のご苦労に対しまして、衷心より敬意を表し、お慶び申し上げます。

札幌学院大学は、1946年(昭和21年)に設立された札幌文科専門学院にその源を発し、その後、札幌短期大学、札幌商科大学の時代を経て、現在、5千名余の学生を擁する道内有数の人文社会系総合大学に発展し、今年で創立60周年を迎えます。この記念すべき年に、人文学部では新たに「こども発達学科」を設置することになりました。この学科では、北海道の私大で初めての小学校教諭一種免許の取得が可能となります。本日、ここに列席された新学科の一期生となられる皆さんを、教職員一同、心から歓迎したいと思います。

さて、本学が今日のような発展を遂げるまでの歩みは、「学問の自由」「独創的研鑚」「個性の尊重」という建学の精神に支えられた、大学構成員の努力と、関係各位の心強いご支援の賜物にほかなりません。この間に送り出された卒業生は、3万9千名余に及び、「札幌学院大学文泉会」という同窓会組織の下、絶えず母校へ熱い支援を寄せていただいております。新入生諸君が、このようにして諸先輩が築き上げてきた貴い遺産を受け継ぎ、本学の新たな歴史の担い手として貢献されることを期待してやみません。

昨今、大学は、18歳人口が急減する中で、生き残りを賭けた競争が激化しています。国立大学も法人化され、民間的発想が導入されました。規制緩和の流れのなかで、株式会社も大学に参入できる時代となりました。また、すべての大学に対して、教育・研究内容に対する第三者による社会的評価を受けることも義務づけられました。

本学もこうした情勢を踏まえ、学生諸君が本学に入学して本当に良かったと思っていただけるような大学づくりに努力してゆく所存です。

と同時に、地域住民の方々にとっても、なくてはならない存在となるような社会に開かれた大学を目指していきたいと考えております。

いま世界は、環境問題や食糧問題をはじめ、国と国とが知恵を出し合い、互いに協力し合って問題解決しなければならないことが山積しています。また、日本国内においても、人口問題、凶悪犯罪の多発化、職業倫理の欠如など日本社会の根底が揺らぎ始めています。

このような厳しい状況にあるからこそ、皆さんにはこれからの大学生活4年間を有効に過ごし、自ら考え行動する社会人に育ってほしいと願ってやみません。

それは、やがて諸君が、複雑で、不透明なこれからの地球社会を生き抜く力となるだけでなく、人間理解の幅を広げ、豊かな人生を拓くことにつながると確信するからです。

本日、札幌学院大学の門をくぐられた皆さんは、いたずらにまわりの動きに追随することなく、地道な生活の中にあっても、「独自」の発想と創造性を人知れず磨いていって下さい。これからの豊かな人生のために、そして厳しい競争社会で生残るためにはそのことが一番大切だと思うのです。

皆さんの大学生活が、実り多きものとなりますよう念願いたします。

新入生諸君、どうか二度とない青春を悔いなきものにしてください。

(2006年4月4日 於:北海道厚生年金会館)

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