民主主義、社会階層、計量分析方法論、社会調査方法論、数理社会学、計量社会学。
はじめの興味は、社会への数学的アプローチで、幸いなことにそのような教育を受ける機会にもめぐまれて、計量社会学や数理社会学に関心を持つようになりました。自らの研究を最初にまとめたのは、公共財の供給問題についてで、「どのような条件のとき、公共財のために人びとは自発的に協力するのだろうか」ということを、数理社会学的に分析したのがはじまりです。
この研究をまとめながら、計量的分析の方法論について、勉強を続けていました。そうしているうちに、ちょうど、1995年のSSM調査(社会階層と社会移動に関する全国調査)に参加させてもらうことになり、そこでは、サンプリングから計量分析までの社会調査全般について、多くのことを学ばせていただくこととなりました。計量社会学の分析によるその成果は、社会階層論を中心テーマとして、ライフスタイル、職業イメージ、社会移動についての研究として結実しました。
また、当初の関心であった公共財の問題は、「公共性」を経由して、「民主主義」という社会制度への関心にいたり、社会学的に民主主義を計量的に分析するということにまとまっていきました。現在では、「民主主義と社会階層」についての社会学的分析を第一の研究課題としています。この研究には、計量社会学や社会調査の方法論、数理社会学におけるモデル・アプローチ、社会階層や民主主義など、理論的・実証的な課題が多く含まれています。