『今、社会人として後輩に伝えたいこと』

2008年 社会情報学部新入生合宿オリエンテーション 卒業生講演

2008年 新入生合宿オリエンテーションが4月8日(火)の午後から9日(水)の午前にかけて実施されました。今回は学部企画として、社会情報学部を卒業して現在、社会人として活躍しているお二人を招き新入生に講演をしていただきました。

大学生活は半年毎に目標設定を

大平写真

大平衣恵 (株)日本旅行北海道 札幌支店 (12期)


私は今、旅行会社で法人営業をしています。私がこの大学を選んだポイントに、エクステンションセンターで資格取得のダブルスクールができることがあり、在学中に、総合旅行業務取扱管理者の資格を取りました。結果、夢だった旅行会社で就職でき、今年3年目になります。

この学部に入った理由は、社会に出てから困らない程度にパソコンを使えるようになりたかったからです。6年前は今の皆さんと同じく、新入生としてこの会場にいました。

私から皆さんに1番伝えたいこと、それは「大学生活でこれをやった!」という何かを残してほしいということです。せっかくの大学4年間を、ただなんとなく過ごしてしまうのは非常にもったいないからです。社会人の先輩に、「大学生活は、大金を払って自由を買うようなものだ」と言われたことがあります。私はそれを聞いた時、なるほどって思ったんです。

ではただなんとなく過ごさない為にはどうしたらよいか。

まずは、「友達づくり」です。これから皆さんは、定山渓で合宿オリエンテーションを行うわけですが、ここでできた友達はとても大切です。特に人数が少ない女子学生にとっては、貴重な機会となります。 単純な話ですが、ここでできた友達と一緒に履修登録をして同じ授業を取れば、半年は顔を合わせることができます。孤独な授業というのは辛いものですよ。互いに助け合い、不安を解消し合いながら単位を取得すると良いと思います。また、サークル活動や部活動を通じて得た先輩たちとの繋がりから得ることのできる大学生活の情報も、とても貴重です。

そして、大学生活を半年毎に区切って目標を立てて過ごして下さい。今ここで、そう言われても実感が湧かないかもしれませんが、なんとなくでもいいので目標を持ってみてください。私の場合、免許を取る、バイトをしてお金を貯める、恋愛をする、資格を取る、自治会に入る、など、この半年はこれをしていた、と振り返ることができます。

学生の間にしかできないことはたくさんあります。気のあった仲間と、スポーツに興じて汗を流すのもいいと思います。社会人になると職場によっては出会いのチャンスがまったくと言っていいほどなくなります、恋愛もぜひして下さい。

また、お金を貯めて旅行に出かけることもお勧めです。その際はたくさん写真を撮って下さいね。学生生活の様子を撮った写真やビデオは、卒業してから想い出を語ることのできる宝物になります。

大学生活を振り返ると、今でもキラッキラ輝いていて、かけがえのない時間だったと思います。初めての1人暮らしでしたし、私の青春が、ここ文京台にあります。皆さんも悔いのない充実した学生生活を過ごして下さいね。


行動の先に新たな選択肢が見えてくる

神長写真

神長国明 (株)ベネッセコーポレーション(5期)


まず、私の学生生活についてお話しします。私は、千歳出身なので、合宿オリエンテーションでは札幌市内の人たちに負けないようにと思い、気負いすぎてしまった苦い経験があります。しかし、そのときに気の合う友人を見つけることができたことも事実です。

入学後は1ヶ月で失望感が訪れました。真面目に講義に出席し、友達とも遊びましたが徐々に期待はずれの感が強くなりました。その頃、専門学校に通っている友達の話しを聞くと、自分が遠回りをしているように思えて焦りを感じました。専門学校の場合、大学に比べると、資格取得などの目標が定まっていて、それに向かって勉強をするので、それが私には充実しているように思えたからです。社会に出て働いた方がよいのではないかと思ったこともありましたが、学業は続けました。自分自身で、勉強自体はまじめにやったと思います。しかし、大学の勉強だけで足りるのだろうかいう不安もありました。授業で出された課題をこなすだけならば、それなりに出来てしまうのですが、「これだけで将来、大丈夫なのだろうか」と感じていたのも事実です。

次に大学での私の学びについて振り返ってみます。まず、学びのスタイルについてですが、私自身、どうやら、大学は「なにをどうやって学ぶか」、「何のために学ぶか」を自分で考える場所らしいということに気づきました。そして、仮に学びたいことが見つかったとして、それを自分でやってみようと思ったとき、「何からやっていいのか」がわからないことにも気づきました。自分自身の経験に基づいて言えば、「何から始めてもいいのではないか」ということです。そのときには、人間ガイドブックを活用しました。言い換えると、周囲の先生や友達に尋ねてヒントを得るのです。一人ひとり、違う人生を生きてきたので、自分とは違うことを知っているはずですから、それを利用するということです。この場合、学生時代のブレーンストーミング的な経験が今でも生きています。友達どうしで他愛のないことを自由に話し合ううちに、アイデアが浮かんできたり、問題解決の方向性が見えてきたりします。しかし、それぞれが提供できる知識を持っていないと、話し合いも浅いものになってしまい、そこから読書の必要性を感じました。私の場合、思考を柔軟に保つために。理論的な本と情緒的な本をあるていど交互に読むようにしています。

社会で必要な力は、知識、忍耐、集中力、学習能力だと思いますが、大学の教育が仕事に即、これらに結果として結びつくかどうかの判断は難しいと言えます。問題を自分で見つけて、アプローチし、その結果をプレゼンテーションする能力は社会においてとても重要で、私はその基本的な部分を大学の卒業研究で身につけたと思っています。

最後に皆さんへのアドバイスです。選択肢を洗い出して、自分で選ぶ。選んだら、行動するということを心がけてください。皆さんはすでに大学で学ぶという選択をしています。この先もいろいろな選択の機会があるかと思いますが、選択肢の幅を広げるような行動を取ってください。その時に、私の経験談が参考になってくれれば嬉しく思います。