札幌学院大学が主催する小論文コンテスト「第2回高校生エッセイフォーラム」に、たくさんのご応募をいただきありがとうございました。北海道から沖縄までお寄せいただいた応募作品総数は3,109点。厳正な審査を行ないました結果、8作品の入賞が決定。さらに、学校賞として5校が選出されました。高校生のみなさんからご応募いただいた作品は、どれも力作揃い。「わたしの大切なもの」というテーマで、それぞれの思いを寄せていただきました。札幌学院大学は、これらの大切な思いを真摯に受けとめて、みなさんにとってますますかけがえのない大学になることをめざしていきます。
わたしの大切なもの
「御飯の時間」
御手洗 智美さん
博多女子高等学校2年
<はた万次郎賞>
   
「田んぼと畑」
山元 奈々さん
宮崎県立都城西高等学校2年
<小野寺 歩賞>
   
「大切な気持ち」
織田 華菜子さん
北海道美唄聖華高等学校2年
「愛すべき函館弁」
上田 恭子さん
函館白百合学園高等学校2年
「“父”へ」
中島 海帆さん
岩手県立高田高等学校2年
「大きな手と小さな手」
柴田 千晃さん
福岡県立小倉商業高等学校3年
「こみゅにけーしょん」
行武 千絵さん
九州産業大学付属九州高等学校2年
「夢」
高橋 拓志さん
熊本県立球磨工業高等学校1年
「私の傷」
中村 裕子さん
青森県立八戸高等学校1年
故郷(ふるさと)
中岡 朋子さん
大分県立国東高等学校3年
「桜」
田平 修さん
宮崎県立宮崎西高等学校2年
「絆の楽譜」
川畑 結貴さん
鹿児島県立伊集院高等学校1年
青森県立八戸高等学校、 福岡県立小倉商業高等学校、 福岡県立筑紫丘高等学校、
大分東明高等学校、延岡学園高等学校


〈最優秀賞〉

博多女子高等学校2年 御手洗 智美

 「御飯の時はテレビをつけてはいけない」という決まりがうちにはある。地震があったとか台風来ているとかでない限りめったにその決まりが破られる事はない。物心ついた時にはすでにそうなっていたから、別に嫌ではなかったし、友達のようにテレビをつけて御飯食べたいと思った事もあったけど、我が家の決まりは変わりそうにもなかったので、そのうちあきらめた。
  朝御飯の時は、ニュースを聞く為にラジオがついている。ニュースを聞きながら家族がそれぞれに意見を言うので軽く討論のようになる。私も妹も口だけはいっちょまえなのでなかなかおもしろい。でも政治のニュースになると、お父さん以外は無言になる。お父さんが解説を入れつつアナウンサーの話を通訳してくれる。これがなかなか解りやすくて、公民が死ぬ程苦手な私でも理解できる。最後にそれぞれの一日の予定を言ってだいたい朝御飯の時間が終わる。
  昼はそれぞれ学校や仕事場で食べるので、次にみんなが揃うのは夜だ。朝と違う事はお父さんがいない事とラジオがついていない事。夜御飯の時は、私と妹の学校での話がだいたいメインになる。クラスの事、部活の事、友達の事などで、特に隠し事はないと思う。食べ終わっても30分くらいは話している事が多い。そこでアドバイスをもらったり、逆にしたり、三人で悩んだりして、夜御飯が終わる。
  何気なく過ごしている毎日の中で、自分の家の「御飯の時間」の事なんてなかなか気にする人はいないと思う。でもちょっと考えてみたら、うちの「御飯の時間」は家族にとってかかせない「大切な時間」になっていることに気づいた。
  家族そろってテーブルをかこんで、みんなで何だかんだ言いながら御飯を食べる時間。これが今の私の一番の大切なものだ。


主催:札幌学院大学 後援:北海道、札幌市、江別市、北海道教育委員会、札幌市教育委員会、江別市教育委員会、(株)ベネッセコーポレーション



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