NPM | |
New Public Managementを意味する。地方自治体へ民間企業の経営手法を導入し、地域マネジメントの効率と有効性を改善する手法で、「新しい公共経営」と訳される。 具体的には、公共サービス提供に関して市場原理を導入する、統制基準をルール志向から住民志向へ変える、経営サイクルのPDCA(Plan→Do→Check→Action)による有効な政策立案と実行の過程を形成する、裁量権を公共サービスの実施の現場へ委譲する、民間企業のような柔軟なサービス提供のために組織構造や制度を改革する、などが行われる。 【北海道の現状と課題】 北海道の自治体でも民間企業なみの財務諸表作成、行政情報の公開、PFI(民間資本の活用による公共事業)、住民満足改善、地域ブランド確立、などNPMを行う地方自治体が出てきているが、多くの自治体ではまだ部分的な採用であったり、従来型の自治体経営にとどまっている。 NPMの導入は自治体とそこで働く職員にとって大きな価値観とシステムの変革を促すため、NPM導入を踏み切るには首長の強いリーダーシップが必要であろう。 【NPMの将来】 自治体の財政難や地域社会の疲弊といった地方自治体へNPM導入を促す圧力は高まっていき、地方自治体は否が応でもNPM導入に取り組まざるを得なくなろう。 しかしながら、NPMの理論も確立されたものではなく、最近ではNMPに加えて住民を積極的に地方自治体の事業へ参画させ、協働する、PPPが注目を集めている。 札幌学院大学大学院・地域社会マネジメント研究科 「経営戦略論」担当:河西 邦人 |
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産業クラスター政策 | |
地域に内在する資源・労働力・技術を産学官で連携しながら活用して、そこから発掘された技術・ノウハウ・取引・情報といったビジネスの「芽」を蓄積することにより、新産業の“群れ(クラスター)”を形成していく政策。 クラスターは、企業のほか大学等が参加すること、イノベーションを中心とすること等で、従来の地域産業集積と異なっている。 【北海道の現状と課題】 経済産業省は、2001年より「地域再生産業集積計画(産業クラスター計画)」を開始し、北海道では情報通信・バイオテクノロジー関連が対象事業に選定された。 また北海道では独自に、1998年より(財)北海道科学技術総合振興センターが中心となり年平均200事業が企画されているが、製品販売まで至ったのはわずか45件(2002年度末)にすぎない。 【産業クラスター政策の将来】 現状では、(1)問題意識が共有化されていない、(2)支援体制が複雑である、(3)クラスター形成のコーディネーターが不在といった問題点が指摘されているが、効率的な事業運営をおこなえばイノベーション指向が強いため新産業育成に大いに寄与できるはずである。 札幌学院大学大学院・地域社会マネジメント研究科 「地域経済事例研究」担当:谷沢 弘毅 |
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地域ブランド | |
地域ブランドの定義は、今のところ確立されていない。 消費財ブランドやコーポレートブランド同様に、地域そのものにブランドの概念やブランディングの手法を応用して、地域のアイデンティティを明確にし、地域優位性を構築することと捉えられる。 【北海道の現状と課題】 地域をブランドの視点で考えるということは、最近始まったばかりである。 青森県では県をあげてその取り組みがみられるし、北海道においても、北海道ブランドの構築を意識した取り組みが、官民学をあげてスタートしている。 ブランド構築の第一歩は、地域が有する自然・文化・産業・人的資源を総点検して強みを洗い出し、それらが人々の如何なる価値を満足させることができるのか十分に判断し磨きをかけることである。 したがって、ロゴマークを作ったり、特産物のプロモーションを行うなどといったことではなく、長い年月かけて地域の内と外から築き上げるものであり、地域住民の意欲と協力が大きな課題となる。 【地域ブランドの将来】 地域ブランド構築の動きは、地域を見つめなおす絶好の機会である。 地方分権化の流れの中で、地域の潜在能力を活性化するための起爆剤にもなりうる。 札幌学院大学大学院・地域社会マネジメント研究科 「観光地ブランド論」担当:光武 幸 |
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