研究活動

Research activities

法学

  • 伊藤 雅康
    法学部 法律学科
    働く人々の権利といえば、労働時間などの労働条件に関して専ら議論されてきましたが、それだけでなく、仕事の内容や意味、あるいは「働きがい」といったものを働く人々の権利の問題として語れないか、との観点から、労働者が企業経営に参加する権利というテーマを中心に労働権、労働基本権に関する研究を行っています。
    研究概要
    労働者の企業経営への参加権というものを日本の憲法は定めていませんので、憲法でそれを定めているフランスについて、憲法の制定過程の議論や、この権利を実際に行使するために作られた制度の内容とその移り変わり、そして、その限界といったことを研究してきました。いまは、それらの研究から得られたものをベースにしながら、労働条件以外の労働に関する問題に労働者が関与する手続をどうしたらよいか、労働権の保障の内容を単に雇用されることの保障にとどまらないものと構成できないか、といったことを含めて、日本の労働権、労働基本権に関して今後議論していくべき点はなにか、を探っています。
  • 岡田 久美子
    法学部 法律学科
    性犯罪被告事件において、被害申立人の供述する内容、とくに事件のときに取った行動が、経験則からして不自然であると裁判所が判断する事例に関して、その判断の妥当性を検討し、被害当事者の現実をふまえた判断がなされるための方策を考案する。
    研究概要
    犯罪をしたと疑われる被告人は、刑事裁判を経て、犯人と確定されるか、または確定できずに無罪となるかが決まります。事実を確認するとき、被害を申し立てた人の言っていることが信用できるかが、争点になることがあります。性犯罪の成否が問われる事件では、被害申立人が「被害者らしい」ふるまいをしていないと、そのふるまいはおかしい→言っていることが信用できない→申立人の言い分は有罪を裏づける資料にならない→確証がないから被告人は無罪、とされることがあります。被害申立人が「被害者らしい」ふるまいをしなかったことが被告人の無罪に結びつくかのような裁判所の判断に、疑問と修正案を呈示していきます。
  • 荻野 昭一
    法学部 法律学科
    会社法、金融商品取引法
  • 小澤 隆司
    法学部 法律学科
    基礎法学(日本近代法史)
  • 小幡 宣和
    法学部 法律学科
    行政法、環境法、都市計画などについて研究しています。
    研究概要
    これまで、歴史的な建造物や町並みなどの歴史的な環境を保全するためにどのような法制度であるべきか、またそれらについての法的問題について研究してきました。特にアメリカの歴史的環境保全の法制度と日本の法制度とを比較することによって研究を進めてきました。
  • 加藤 正佳
    法学部 法律学科
    民事裁判実務、労使関係に関する紛争予防及び紛争解決に関する実務
  • 川股 修二
    法学部 法律学科
    租税法を研究しています。給与をもらう人や馬券が当たった人、100万円を拾った人も税金を払う必要があります。税金は国家運営の重要な財源です。どのような仕組みで税金を払う義務を負うことになるのでしょうか。アマゾンの電子書籍の収入はどの国の税金になるのでしょうか。このような身近な租税法を研究しています。
    研究概要
    相続税という税金があります。大好きなお爺さんが「天国に旅立つ」と場合によっては相続税という税金を国家に支払う必要があります。天国のお爺さんは、お元気な時に、貴方のお父さんに財産を渡した後に、お父さんに「もしものこと(相続)」があったときには、孫(貴方です。)に財産を引き継いでもらいたいと考えているかもしれません。そのようなときは、改正された信託法という法律でその願いを叶えることができます。もちろん、租税法と信託法の交錯するところでも税金を払わなければなりません。まだ、整理されていない租税法と信託法の交錯するところを研究しています。
  • 高田 耕平
    法学部 法律学科
    刑法
  • 田處 博之
    法学部 法律学科
    生活妨害の差止めや損害賠償の請求での違法性判断における先住後住関係の考
    慮につき、ドイツ・イミッシオーン法を参考に研究を進めている。また、過失に
    よる詐欺の評価矛盾問題についても、ドイツ法における知見を参考にしつつ、研
    究を進めている。
    研究概要
    生活妨害の差止めや損害賠償の請求での違法性判断における先住後住関係の考
    慮につき、ドイツ・イミッシオーン法を参考に研究を進めている。また、過失に
    よる詐欺の評価矛盾問題についても、ドイツ法における知見を参考にしつつ、研
    究を進めている。
  • 橘井 雄太
    法学部 法律学科
    民法の不法行為法を中心に研究をしています。不法行為法は、たとえば、誰かに怪我をさせたときや、誰かの物(財産)を壊したときなどを規律するルールです。社会生活をするにあたっては、誰もが不法行為の当事者になり得るため、不法行為法は私たちが知っておかなければならないルールです。
    研究概要
    作為義務を中心に研究しています。作為義務とは、他人に損害が発生することを防止する義務のことです。例えば、Aさんが川で溺れている、このとき、近くを歩いていたBさんはAさんを助ける法的義務を負うか否か、というのが作為義務をめぐる問題となります。道徳的に考えると、BはAを助けてあげるべきでしょう。しかし、それを法的な義務にすると、Bには行動の自由がなくなりますし、そもそもAが溺れているのはBのせいではないのに、なぜBが責任を負わなければならないのかという疑問もでてきます。このように、作為義務は、考慮すべき要素が複雑に錯そうしています。この点について妥当なルール形成をするための研究をしています。