2005年度
法学部 学部講演会pt.1
●日 時: 2005年7月6日(水)13:10〜14:40(3講時)
●場 所: SGUホール
●テーマ:
「憲法・労働法を生かす努力の継承
-三菱樹脂・高野事件を題材に21世紀を考える-」
●講師:
高野 達男 氏
1963(昭和38)年
3月 |
東北大学法学部卒業 |
1963(昭和38)年 4月 |
三菱樹脂(株)入社 |
1963(昭和38)年 6月25日 |
経歴詐称を理由に本採用拒否される |
1964(昭和39)年 4月27日 |
東京地裁仮処分決定で高野氏勝訴 |
1967(昭和42)年 7月17日 |
東京地裁本訴判決で高野氏勝訴 |
1968(昭和43)年 6月12日 |
東京高裁判決で高野氏勝訴 |
1973(昭和48)年12月12日 |
最高裁判決で高裁へ差し戻し |
1976(昭和51)年 3月11日
〜1999(平成11)年 1月
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東京高裁で和解成立、高野氏原職復帰
復職以降、課長代理、課長、部長職として三菱樹脂(株)に勤務 |
1999(平成11)年 1月 |
(株)ヒシテック(三菱樹脂が100%出資)設立
と同時に代表取締役専務に就任 |
2000(平成12)年 3月 |
同社代表取締役社長に就任 |
2003(平成15)年 3月 |
社長退任し常勤顧問就任 |
2004(平成16)年 9月 |
顧問退任 |
<三菱樹脂・高野事件の概要>
三菱樹脂・高野事件は、憲法判例上も重要な事件である。それは、1963年4月、三菱樹脂に幹部候補生として就職した東北大学法学部出身の高野達男氏が3ヶ月の試用期間満了の直前に、採用試験の際の身上調書に学生運動の経歴について虚偽の記述をし、面接試験でもウソをついたということを理由に本採用を拒否された事件である。それ以降、巨大企業三菱を相手に闘い、第一審、第二審で勝訴したが、最高裁は原判決破棄・高裁差し戻しの判決を下した。しかし、三年後、
東京高裁で和解が成立し、高野氏は13年ぶりに原職復帰を果たした。
三菱樹脂・高野事件の記録としては、高野不当解雇撤回対策会議編『石流れ木の葉沈む日々に』(労働旬報社、1977年)がある。
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