■一般講座
[講座番号4] [人間理解学講座](第8回)
          『ノーベル賞の光と影』―人間の「賞」をめぐる心理とその悲喜劇
定員/50名 受講料/6,000円(全4回)



(講座概要)
 毎年、ノーベル賞(物理学、化学、生理学医学、文学、平和、そして経済学)の発表の時期になると、世界の人々が注目します。そもそも、ノーベル賞とは何なのでしょうか。今回は、それを考えてまいります。何事にも「明と暗」「表と裏」「建前と本音」があるように、ノーベル賞という「賞獲得競争」にも「光と影」があります。今回は、その視点からノーベル賞の本質、そして「賞」がもつ一般的性質とそれをめぐる人間の悲喜劇、人間の心のありようについても理解が深められたら、と願っております。

(カリキュラム&日程表)
テーマ/講座日
内  容
1
ノーベル賞とは何か?
(総論的解説)

5月24日(木) 【午後】13:30〜15:30
 1895年に創設され、1901年から始まった世界的な賞であるノーベル賞は、スウェーデンの発明家・企業家で、ダイナマイトなどの爆薬を開発・生産し、巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベル(1833〜1896)の遺言によるものです。彼の人生をひもときたどりながら、ノーベル賞の歴史経過にふれ、ノーベル賞の部門、資格、授賞条件、評価と論争などについて紹介します。そして、ノーベル賞の本質について、および人間の「賞」をめぐる心理のありよう、人間ドラマの視点を含め、皆さまと考えてまいりたいと思います。
講師/元・札幌学院大学大学院臨床心理学研究科 教授
現・北海道大学大学院教育学院臨床心理学講座
 非常勤講師
 安岡  譽
コーディネーター/若原 正己
2
文学賞、平和賞、経済学賞の光と影
5月31日(木) 【午後】13:30〜15:30
 文学賞は「スウェーデン・アカデミー」が選考し、日本人では川端康成、昨年は英国籍のカズオ・イシグロ氏が受賞しました。サルトルのように辞退した人もいます。平和賞では、首をかしげたくなる受賞者も出ました。この賞は「ノルウェー・ノーベル委員会」が選びます。一方、経済学賞だけは「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済賞」が正式名称です。これらの3部門については、選考基準や結果について、いろいろ論議がまきおこっています。それらの事情について、具体的な例をあげながら、考えてまいりたいと思います。
講師/安岡  譽  コーディネーター/若原 正己
3
生理学医学賞の光と影

6月7日(木) 【午後】13:30〜15:30
 ノーベル賞は賞金・栄誉とも世界最高の賞ですが、人間のやることですから多くの問題が生じます。ノーベル生理学医学賞の影として有名なのは@「ガンの寄生虫説」に対する授賞、Aロボトミーの功罪、B殺虫剤DDTの開発者への授賞、C激しい受賞競争をめぐる論文ねつ造やデータの借用の影などです。また、ノーベル賞が一件3人までという縛りがあるため、当然受賞する資格がありながら受賞を逃す悲劇もありました。光の部分として日本人受賞者の活躍・貢献、特に利根川進博士、山中伸弥教授についてお話しします。
講師/元・北海道大学理学部准教授 若原 正己
 コーディネーター/安岡  譽
4
物理学賞、化学賞の光と影

6月14日(木) 【午後】13:30〜15:30
 日本人として初めてノーベル賞を受賞した物理学賞の湯川秀樹博士は戦争に打ちひしがれた日本人に大きな希望をもたらしました。水泳競技で「フジヤマのトビウオ」とたたえられた古橋広之進選手とともに忘れることができません。物理学賞・化学賞は軍事産業や核兵器・毒ガス開発など戦争とも大きく関係していますので、科学技術のデュアル・ユース(民生と軍事利用)について考えます。一人で2度も受賞した何人かの研究者についてもお話しします。近年日本人研究者の受賞が相次いでいますが、今後は少し心配です。
講師/若原 正己  コーディネーター/安岡  譽

講師
紹介

安岡 譽(やすおか ほまれ) 1944年生まれ。札幌医科大学大学院医学研究科修了(医学博士)。札幌医科大学神経精神科講師、福岡大学講師、札幌佐藤病院副院長、札幌学院大学大学院教授を歴任。共著に、『精神分析を学ぶ』『青年期の精神病理と治療』『精神科症例集』『非行少年』『精神分析事典』『ひきこもる心のケア』など多数。統合失調症や手首自傷(リストカット)、うつ病の研究など多彩であるが、最近の研究テーマは、「こころの本質に関する研究」。現在、北海道大学大学院教育学院臨床心理学講座非常勤講師、札幌国際大学人文学部心理学科非常勤講師、北海道精神療法精神分析アカデミー協会会長。精神科医、精神保健指定医、精神分析医、臨床心理士。

若原 正己(わかはら まさみ) 1943年生まれ。北海道大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。元北海道大学理学部および同大学院理学研究科准教授。専門は発生生物学。多くの論文があるが、単著に、『なぜカエルからヒトは生まれないのか』『黒人はなぜ足が速いのか』『シネマで生物学』『なぜ男は女より早く死ぬのか』、近刊では、『ヒトはなぜ争うのか』『ヒトはなぜ病み、老いるのか』などがある。趣味の絵手紙俳句やエッセイをブログでつづっている。(http://ameblo.jp/3491mw/)


     
 


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