レポートの書き方




項目説明
一章執筆準備 レポートを書きはじめるまえに
二章書式 タイトルや見出し等の一般的な書式
三章本文の原則 本文を書く上での一般的な規則
四章表の原則 表の形式
五章図の原則





第一章:執筆準備


大原則1:常に読み手を意識する

レポートは,自分の主張を書いたもので,他人に読んでもらうことを前提に書かれているものです.
読み手に自らの考えを伝えることができないレポートは,まったく意味の無いものです.
常に読み手を意識し,読みやすいレポートを書くように心掛けて下さい.

詳しくは『第三章 本文の原則』で述べています.



大原則2:指導教員の指示に従う

レポートの書式には基本的な規則が存在し,それぞれが自由気ままに書いて良い訳ではありません.
規則の無い(従わない)レポートは,それだけで非常に読みづらいものになってしまうからです.
次の章からは規則を説明していきますが,これは一般的な規則であり,絶対的な規則ではありません.
学生がレポートを書く上での絶対的な規則は,指導教員の指示です.
そして,このホームページに載っている規則と指導教員の指示では,当然指導教員の指示が優先されます.
指導教員毎にレポートの書き方は違いますので,指導教員の指示に従い書いてください.



大原則3:盗作しない

他人の書いたものを,自分の書いたものとすることは犯罪です.
レポートにおいても,同様です.
盗作したレポートは,レポートとして認められないことは当たり前です.
当然のことですが,盗作したレポートは採点の対象とはなりません.
そして,カンニングと同じように不正行為とみなされます.
盗作したレポートを提出した結果,単位を落としたとしても,自らの責任です.

盗作の例
  a:論文・本・新聞等を写す.
  b:インターネット上の情報を,コピー&ペーストする.
  c:他人(友人・先輩)の書いたレポートを写す.
  d:a-cの末尾などを変えて,自分が書いたように見せかける.

などです.

自らのレポートの中で,論文・雑誌・新聞等を引用する場合は,

  @引用箇所を明確に示す
  A出典を明らかにする

必要があります.
@とAがない引用は,全て盗作です.
一箇所でも引用が抜けていた場合は,盗作となります.

また,不正確な引用(勝手な改ざん)は,してはいけません.



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第二章:書式


項目字体揃え
タイトルゴシック体中央揃え
名前ゴシック体右端
見出しゴシック体左揃え
本文明朝体左揃え
句読点全角
参考文献明朝体左揃え
引用明朝体左揃え
英語Century
数字半角英数

タイトル

ゴシック体で中央揃えにしますが,注意すべきは文字の大きさです.
原則として,2行にならない程度に,出来る限り文字を大きくします.
しかし,タイトルが長い場合に限って,2行になることも可能です.


名前(学部学科・学年・学籍番号・名前)

学部学科
学年
学籍番号
名前
の順番に,右端にゴシック体で書きます.


見出し

ゴシック体で左揃えにします.
以外と見落してしまうことは,章番号と見出し文の間にスペースを空けることです.
章番号:1.1
見出し文:はじめに

  ◯1.1  はじめに
  ×1.1はじめに

スペースは,全角か半角で一文字分空けます.


本文

明朝体で左揃えです.楷書体は使わないようにしましょう.
段落のはじめには必ずスペースを一文字分空けてください.


句読点

句点:「,」「,」(コンマ)
読点:「.」「.」(ピリオド・ドット)

普段の文章では,「,」「.」をつかっていると思います.
横書きの文化では,句読点は「,」「.」を用いることから,一般的なレポートの句読点は,「,」「.」を使います.
しかし,指導教員毎に使われる句読点の種類は違います.
きちんと指導教員の指事に従って書きましょう.


参考文献

明朝体で左揃えにします.

[番号],著者名,「本の名前」,出版社,出版年
[番号]ホームページの名前


[1],石川千温,「基礎からのコンピュータ」,ムイスリ出版,2000年
[2],架空のホームページ
(URL: http://www.hogehoge123.html)

が基本形式ですが,指導教員毎に多少異ります.
参考文献は本文の最後の書きます.


引用

明朝体で左揃えにします.
形式
 引用箇所:「」で囲む.
 引用省略:……を用いる.
 出典  :レポートの最後に出典を書く.
      参考文献に準じて書く.
注意点
  ・同一資料から引用しても,引用のたびに書かなければいけません.

英語

レポートの中で英語の表記をするときの字体は,”Century"を使います.
人名などは,カタカナではなく英語表記をできるだけしてください.


数字

横書きの場合は,数用数字を用います.
半角英数を使い,漢数字は原則禁止です.
必ず3桁置きに”,”(コンマ)を入れましょう.
”,”(コンマ)は半角です.
△12345
◯12,345
×12345
×一二三四五
×十二万三千四百五
となります.

もちろん例外もあります.
漢数字が特別な意味があるときや常用文である,”一人,六法全書”などは問題ありません.

数字が大きくなると,”10,000,000円”と”,”(コンマ)で区切るか”1000万円”とします.
それは,”10000000円”と何桁もあると良く分からなくなるからです.

実際にはこのような,きりの良い数字は滅多にありません.
”10,000,005円”といった具合いです.
一桁目の”5”は,それほど重要な数字でしょうか?
さして重要でないのなら,”約1,000万円 or 1,000万円強”とします.
大抵の場合”1,000万円”とした方が良いでしょう.

例外として,図表が(100万円)単位で表記をしている場合.
1,000万円を10(100万円)と表記させたほうが良い場合もあるので注意してください.



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第三章:本文の原則


単語定義の一貫性
文体である・られる
主語・述語主語を文の中に入れる
主語と述語を対応させる
英語英語使用時の注意
文の長さ3行以内
段落の長さ1ページに2〜4段落
一つの段落に一つの主張
例:A4レポートA4用紙1枚のレポートの形式

単語

固有名詞などの単語の定義は,終始一貫,統一されていなければいけません.
単語の定義が統一されていないと,読み手に誤解を与え,自らの考えを正しく伝えられなくなってしまうからです.

たとえば”地域”という言葉があります.
”地域”の定義は状況によって,連想される規模がまったく異なります.
(オホーツク地域,極東地域等)
レポートの最初に”地域”という言葉を”地域=市町村”として使うとします.
しかし,途中から”地域=都道府県”と変更すると,それだけで読み手を混乱させてしまいます.

また,特殊な用語や注意・注目すべき単語は,はっきりと定義しておく必要があります.
”○○とは,〜〜〜〜〜〜である.”
といった具合です.


文体

レポートを書くにあたって,文体は非常に重要なものです.
重要といっても,それ程難しいことではありません.
その文体とは,

◯である・られる
×です・ます

とすることです.
なぜ,”である(断定)・られる(受身)”でなければならないのか?
断定は,自らの主張をはっきりと読み手に伝えます.
受身は,客観的な事実であるという印象を,読み手に与えます.


例1 ”です・ます”
”である”は強い断定表現で,”られる”は受身表現です.この二つの文体は,書き手の主張が主観的ではなく客観的であるような印象を,読み手に与えることができるために用います.


例2 ”である・られる”
”である”は強い断定表現であり,”られる”は受身表現である.この二つの文体は,書き手の主張が主観的ではなく客観的であるような印象を,読み手に与えることができるために用いられる.


二つの例文を比べてみてください.
例1の”です・ます”よりも,例2の”である・られる”の方が,客観性があり,説得力を持っていると思いませんか?

ついでにもう一つ,気を付けたい表現方法があります.

”考える・思う・感じる”

です.
”考える・思う・感じる”は,主張を弱めてしまうので,出来る限り使わないほうが良いでしょう.
(特に,”思う・感じる”は使わないほうがよいでしょう.)
どうしても使うときには,必ず”考えられる”といったように受身にしてください.

例3 ”です・ます・思う”
”である”は強い断定表現で,”られる”は受身表現です.この二つの文体は,書き手の主張が主観的ではなく客観的であるような印象を,読み手に伝えることができると思います.


例4 ”である・られる”
”である”は強い断定表現であり,”られる”は受身表現である.この二つの文体は,書き手の主張が主観的ではなく客観的であるような印象を,読み手に伝えることができると考えられる.


主語・述語

文体も重要ですが,それ以上に重要なことは,

@主語を文の中に入れる.
A”主語と述語”を対応させる.

ことです.

@主語を文の中に入れる.

いまさら何を言うんだ?と,思うかもしれません.
日常会話の中で,主語が抜けていることよくあります.
しかし,レポートにおいては,主語が抜けていると文の内容が分からなくなります.
文章の流れで,主語が無い方が良い場合もあります.
ですが,多少読む勢いが削がれることよりも,明確に自らの意思を伝えるために,主語を入れましょう.


A”主語と述語”を対応させる.

これもあたりまえのことです.
しかし,(私を含む)多くの学生は,この当たり前のことができていません.
一文一文”主語と述語”が対応し,日本語の文章になっているかを確認しましょう.
文の長さが短いほうが,”主語と述語”を対応させることは簡単になります.

英語

私たちは普段,何気無い会話の中で,英語(カタカナ語)を使っています.
国会答弁でも,国会議員が不必用に英語(カタカナ語)を多用していますが,レポート中に英語(カタカナ語)は,極力使ってはいけません.

何故英語(カタカナ語)を使ってはいけないかというと,英語(カタカナ語)を使うことによって,内容が曖昧になってしまうからです.
”ポジティブ・ハート・イメージ・メリット”等も,レポート中で使わないほうが良いでしょう.

しかし,”テレビ・CD(コンパクトディスク)・電子レンジ”等,既に一般化している言葉で,日本語に置き換えが出来無い言葉と,人名などの固有名詞は用いても構いません.
又,専門用語のなかには,対応した日本語がない(対応した日本語が一般的でない)場合があります.
この場合は,英語を用いてもかまいませんが,一つ一つの言葉をきちんと定義したほうが良い場合が多いと思います.


文の長さ

文の長さ:3行以内

文は”3行以内”に収めることが望ましいです.
文は長くなってくると,それだけで理解することが大変になってきます.
私は正直,3行でも長いと思います.
4行になると,その文を読み返さなけばならなくなるでしょう.
(そして長い文ほど理解し難い表現が使われていたり,小難しい内容であることが多い.)
(また,学生の書く長い文は,意味不明になっていることが多い.)

大抵の文は,”しかし・そして”などの接続詞を用いれば,二つの文にすることは可能です.
面倒臭がらずに,きちんと分けましょう.


段落の長さ

@段落の長さ:1ページに2〜4段落
A段落の内容:一つの段落に一つの主張

@段落の長さ:1ページに2〜4段落

段落は1ページに2〜4つあると読みやすくなります.
1ページに一つしか段落がないと,文と同じく読み返さなければならなくなります.
逆に1ページにたくさんの段落があると,読む勢いが削がれてしまいます.

ここで,小説と経済学(又はそのほか専門書)の本を開いてみてください.
小説は頻繁に段落を変ていますが,経済学の本は1ページに2〜4つ段落があるとおもいます.
小説は登場人物が複数存在し,人物,場面,心情などが変化するたびに段落を変えます.
しかし,経済学の本は,書き手と読み手が一対一の関係にあるので,頻繁に段落を変える必要はありません.

A段落の内容:一つの段落に一つの主張

@を満たすために,だらだらと文章を書いてはいけません.
一つの段落に,二つ以上の主張が入っていると,非常に読みにくくなってしまいます.
文章を書くとき,書き終えて推敲するときには,「この段落の主張はこれだ!」と自分が読んで理解できなければなりません.
(自分が読んで理解できない段落は,読み手は絶対に理解できません.)
段落を変えるときは,主張が変わるときです.
それを意識して文章を書き,段落を変えましょう.

例:A4レポート

A4一枚のレポートでは,”序論・本論・結論”の書き方が良いとされています.
この書き方では,”序論・本論・結論”の3つの段落(又は,本論を二つの段落にして4つの段落)で構成します.

序論
  ・レポートの導入の役割を果たし,前提条件などを整理します.
  ・レポートの問題点・論点を設定します.
  ・1000字のレポートの場合,100字から300字程度が目安です.
本論
  ・自らの主張を述べる部分です.
  ・序論で設定した論点について,検討します.
  ・論点が複数ある場合では,段落を二つに分けたほうが良い場合もあります.
  ・1000字のレポートの場合,600字から800字程度が目安です.
結論
  ・レポートのまとめの役割を果たし,意見を締めくくります.
  ・序論で設定した問題点・論点の結論を書きます.
  ・1000字のレポートの場合,100字から200字程度が目安です.

注意点
  ・序論と結論だけを読んで,レポートの内容(論点と結論)が理解可能できなければいけません.
  ・必ず2枚目以降に,引用や参考文献は,全て書かなければいけません.
  ・書き上げた後,最低一回は推敲しなければいけません.


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第四章:表の原則


原則:見やすさ
見出し番号と見出し文との間は一文字あける
見出しは中央にする
見出しは表の上にする
最低限の罫線は引く
西暦は中央揃え・数字は右揃え
太い・特殊な罫線は用いない
罫線は揃える
文字の形状・大きさ・色等に特殊なことはしない

表の作りかたは色々あります.
欧米ではタイプライターで文章を作っていたなごりから,表のなかで縦線は使いませんでした.
(パソコンの普及によって変化しましたが)
また,研究分野によって用いられる表の形式は違います.
(主に使われるソフトが違うからですが,説明は省きます)
そのため,すべてに適用される正しい表はありません.

では,表の基本とはなにか?
それは”見やすさ”です.
自分が見やすいかどうかではなく,全くレポートの内容を知らない他人が見ても,見やすいかどうかです.

パソコンの操作になれてくると,色々と趣向を凝らしたものを作りたくなります.
しかし,趣向を凝らした表ほど見難くなります.
単純で軽快な表は,明確に書き手の主張を伝えてくれます.

以下に例を挙げましたが,あくまでも基本事項に限っています.
指導教員によっては,この参考表は違うと言うと思います.
その点に注意してください.

例1


例2


例3


例4


例5



失敗例1
見出し番号と見出し文との間にスペースが無い.
○表1-1 北海道の医療施設数
×表1-1北海道の医療施設数


失敗例2
×見出しが左にある.
○見出しは中央にする.


失敗例3
×見出しが表の下にある.
○見出しは表の上にする.


失敗例4
×罫線が無い.
○最低限の適切な罫線を引く.


失敗例5
×西暦が右揃えになっている.
×数字が中央揃えになっている.
○西暦は中央揃え.
○数字は右揃え.


失敗例6
×罫線が太い.


失敗例7
×罫線がばらばら


失敗例8
×文字の大きさが揃っていない.
×表に太字・斜体・下線・色等を,基本的に入れてはいけない.


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第五章:図の原則


原則:見やすさ
目的に応じて,グラフを使い分ける
一つの図に,一つの主張

表と同じく場所によって様々な形式がありますが,基本は”見やすさ”です.
図を作成する目的によって,さまざまな図の種類を使い分けます.
表と同じく,趣向を凝らさない,単純で明快な図を作るように心がけてください.

例1
Y軸:施設数
X軸:西暦



例1の図は,項目が一つなので,経過による増減が明確にわかります.
 ・病院が1990年から1999年にかけて減少していること.
 ・一般診療所・歯科診療所が増加しつづけていること.

例2
Y軸:施設数
X軸:西暦

例2は,項目間の比較が明確にわかります.
(項目を二つにした方が,比較をより強調することができます.)
 ・病院が,一般診療所・歯科診療所に比べて少ないこと.
 ・歯科診療所が急激に増加していること.

例3
Y軸左:施設数
Y軸右:施設数の合計
X軸:西暦

例3は,医療施設数の合計を加えた,一見すると見栄えのいい図です.
しかし,この図が何を示すのか(何を主張しているか)が,一目でわかりません.
ですから,例3は,あまり良くない図ということになります.


以下に失敗例を示しました.
しかし,指導教員によっては,例が間違っていて,失敗例が正しいと言うと場合があります.
その点に注意してください.

失敗例1
図番号と見出し文の間にスペースが無い.
○図1-1 北海道の病院数
×図1-1北海道の病院数


失敗例2
×見出し文が図の上にある.
○見出し文は図の下.


失敗例3
△枠線が表示されている.
(枠線は状況により表示させる場合もあります.)


失敗例4
×目盛間隔が狭く,混み合っていて見難い.


失敗例5
×グラフの上に無意味な空間がある.


失敗例6
×文字が大き過ぎ,グラフが小くなっているため見難い。


失敗例7
×グラフの色の濃さが同じで,印刷した時にグラフの違いが分りづらい.
○印刷は白黒なので,それを意識した濃淡や網掛けを使用する.


失敗例8
×凡例が無く,それぞれのグラフが何を示すか分らない.
×軸の説明がない.
×見出し文がない.
○凡例は,すべての図に入れる.
○軸の説明は,すべての図に入れる.
○見出し文は,すべての図に入れる.




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