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臨床心理学科

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【臨床心理学科】新型コロナウイルスの感染拡大にともなう子どもたちのストレスと対応について

2020.03.02

お知らせ
子供たちに安心感を
 北海道での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染への不安が大きくなってきていたところに加えて、一部の会社が休業したり臨時休校が実施されたりするなど、影響は身近なところに及んできました。「いつもの生活」を送ることができなくなった子どもたちにはいったいどういったストレスがかかってどのように対応すればいいのでしょうか。

1.コロナウィルスの影響によって考えられるストレス

 (1)感染への不安と恐怖

 *自分だけではなく親や身近な人の感染を気にする子も多い

 *帰宅後の手洗いをうっかり忘れるなどしたときの、感染したかもという不安

(2)外出の制限や友達と遊ぶことができない不自由さ

(3)卒業、受験関係のイベントの中止や縮小など急激な予定変更に伴うストレス

(4)これからどうなっていくのか、見通しが立っていないことへの不安

(5)休校になることで親の仕事や経済状況に影響を与えてしまう場合、その不安

 

2.ストレスから生じやすい子どもたちの反応

 (1)身体面に現れるもの

  ・不安で眠られない(寝つきが悪い、すぐに目がさめる)

  ・考え込んでボーッとしたり気持ちが暗くなったりする

  ・頭痛、食欲不振、動悸、疲れやすさなどの身体症状

(2)心理面に現れるもの

  ・イライラしやすい

  ・集中力がなくなる

  ・ちょっとしたことでも気になってしまう

  ・これからのことが心配で仕方ない

  ・やる気が出ない

(3)行動面に現れるもの

  ・一人でいたり一人で行動するのを嫌がる

  ・親にくっつきたがったりやたらと甘えてきたりする

  ・すぐに泣いたり怒ったりする

  ・落ち着きがない、やたら騒ぐ、ハイになる

  ・感染に関するニュースを嫌がる

  ・その他、いつもと違う行動

3.対応

 大人が考える以上に子どもは過敏で不安になりやすいことを理解し、安心感を与えることが基本になります。今回の感染拡大に関しては、確実に大丈夫と言い切れないところが難しいところですが、それでもこまめに安心感を与えることは有効だと思います。

  • *子どもが不安を訴えてきたり何か不安そうなときにはその気持ちを受け止めてあげてください。さえぎらずに話を聞いてあげて「そうだね」「怖いね」などの共感的な言葉をかけてあげてください。小さな子がスキンシップなど身体で甘えてきたときは、スキンシップで応じたり、一緒にいてあげたり遊んであげたり、そばで寝てあげるなど安心できるような関わりで応じてください。

  • *何が起きているのか混乱している様子であれば正しい情報を与えてください。心配や不安になるのは当たり前の気持ちであり、その気持ちを口にできる機会を与えてください。

  • *「そんなことで不安になるなんて」「そんなこと気にしてるの?」「気にしすぎじゃない?」「もう忘れたら?」など子どもの気持ちを否定しないようにします。

  • *過剰に自分のせいじゃないか、と不安がる子どももいます。そういうときは、誰のせいでもないことを説明してあげてください。

  • *感染への不安が広がり、なんとなく落ち着かない気持ちになってしまうお子さんが出てくると思われます。卒業や入学を控えているお子さんの場合など、先の見通しのつかなさからイライラが募ることがあります。兄弟で家にいるとケンカなども起こりやすいと思われます。その背後に漠然とした不安があるということに思いをめぐらして、「先の見通しがつかなかったりずっと家にいたりしたら誰でも気持ちが苦しくなるんだよね」「ちょっとしたことでむかつくこともあるんだよね。ちょっと散歩しようか。体を動かすと楽になるよ」などクールダウンを試みてください。
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  • *保護者の皆さまも同じで、不安やイライラが募ることかと思いますが、お互いに増幅しあうような悪循環にならないようにしなければなりません。子どもたちは親の影響を敏感に受け取ってしまいます。「あなたのせいで仕事に行けない」「家事が増える」などは禁句です。そうでなくても子どもは自責感をもっていたりします。

  • *正しい情報を知ることは大切ですが、繰り返して同じニュースに触れていると、それだけで具合が悪くなることがあります。気持ちが閉じこもってしまわないように、気持ちの切り替えを適度に行ってください。

  • *こういう機会にこそ、お子さんとコミュニケーションを密にすることをお勧めします。トランプやボードゲームなど一緒に楽しめるゲームをしてみたり、幼いお子さんであれば一緒にお風呂に入るなどのスキンシップを心がけるのも良いと思います。

  • *「今、頑張っていること」「できたこと」に注目してほめてあげる関わりをしてみてください。子どもたちは、子どもたちなりに何とか親や家庭を助けたいし安心させたいと思っているものです。日常のちょっとしたことでも、できていることややれたこと、頑張ったことを見落とさずにそこに優しい言葉をかけてあげてください。
  • 発行日: 2020.03.02
  • 札幌学院大学 教育支援課(心理学部係)
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