経済学科

第1回 経済学部講演会 開催

2014.07.28

お知らせ
第1回 経済学部講演会 開催
経済学部では学外の講師を招いて,年に数回の経済学部講演会を開催しております.今年は7月16日(水)(14時50分から16時20分)に,講師として 宮司 正毅 氏(現当別町 町長)をお招きして,「ビジネスを通じたアフリカ支援の実践」という演題で,第1回経済学部講演会を開催しました.
 
本公演会は経済学部の1年生を主な対象に開催しました.その狙いは,発展途上国において民間部門の投資が発展途上国の経済発展と,持続的な経済成長に果たす社会的役割を学生に考えてもらい,将来,アフリカなどの発展途上の国々を身近に感じてもらうことでした.
第1回 経済学部講演会 開催
宮司町長は,三菱商事に入社後,南アフリカのヨハネスブルグに赴任され,そこで支店長を経験され,モザンビークのGDPを5倍にすることに貢献したMOZALプロジェクト(民間部門の投資によるアフリカ支援)を立ち上げました.日本に戻られた後も,南アフリカ,タンザニア,ガーナ-あるいはナイジェリアなどの大統領経済—投資諮問委員会メンバーとしてアフリカの発展と持続的な経済成長に関わってこられました.
 
 
宮司町長の説明に拠りますと,NEPAD(The New Partnership for Africa's Development)やAU(African Union)に見られる政治的結合過程にあるアフリカにおけるコア援助は,学校や病院などへの援助ではなく,経済発展に寄与する道路,橋梁あるいは港湾などのインフラ建設とのこと.これを前提に宮司町長は,アフリカ54か国の多くが援助に頼る国から自立し,持続的成長を達成し,自律した国々に変わろうとしているこのときにこそ,官民が協力(ODAと民間部門の投資)し,今,アフリカへ投資することの必要性を説かれました.
第1回 経済学部講演会 開催
宮司町長の三菱商事勤務時代における,PPP(Public-Private Partnership)方式によって実践されたMOZALプロジェクトであるアルミ地金精錬製造事業は,総事業費2,300億円,従業員1,100人(ほとんどがモザンビークの人々),三菱商事,モザンビーク政府,南アフリカ開発公社やBHPビリトン(世界最大の鉱業会社)を株主,JBIC(日本政府100%出資の特殊銀行)やEIB(欧州投資銀行)やコファス(COFACE)などが融資者になったプロジェクトでした.このプロジェクトはモザンビークのGDPを5倍にする事業に成長しました.電気もなく,ボーキサイトも産出しないモザンビークで,このプロジェクトが持続的経済成長をもたらす事業(産業)へと発展し,成功したのは,モザンビーク政府をこの事業にコミットさせたことであったと,宮司町長は語っておられました.
 
目頭を押さえながらネルソン・マンデラの人柄を語る姿,また,マンデラなしに今日のアフリカの政治的結合や自立・自律は考えられないと語る言葉を私も心に刻み,今回の講演に感謝している次第です.
 
経済学部長 久保田義弘
  • 発行日: 2014.07.28