経済学科

【学部講演会】大西広氏を招いて経済学部講演会を開催

2011.01.18

お知らせ
 12月17日に経済学部講演会が、京都大学大学院経済学研究科・経済学部教授、大西広氏を招いて「日中摩擦の政治経済学——ナショナリズムと北京コンセンサス——」というテーマで開催されました。
 
講演はまず、日中双方にとって自国のナショナリズムは、現在の国際情勢の下ではその発生は避けられないが、きわめて取り扱いの難しいものであること、むしろ一人一人が、「徹底した個人主義」の立場から判断し行動する方が状況の改善に繋がる可能性が高いとの見解が示されました。 次に、現地での調査を踏まえ、「反日デモ」に対する中国の対応は、日本の報道から受ける印象よりはるかに厳重なものであるとの指摘がなされました。 また、第2次大戦中および終戦直後のご両親の体験なども交え、中国国民の「反日」意識が比較的近年になって形成されてきたものであるとの認識が示され、最後に「北京コンセンサス」と呼ばれる政府主導の市場経済化について、「『政治的民主化を伴わずに』という表現は悪いが、資本主義の限界露呈の下で、我々にとっても参考になる」との認識が示されました。
【学部講演会】大西広氏を招いて経済学部講演会を開催
【学部講演会】大西広氏を招いて経済学部講演会を開催
全体を通じて、日中双方ともナショナリズムという目前の状況に左右されやすい考えを相対化して、より普遍的な価値を問うという姿勢で臨むことの大切さを訴える講演であったと思われます。
 
本学の学生だけでなく、市民の方も多数参加され盛況の内に幕を閉じました。
  • 発行日: 2011.01.18