研究活動

Research activities

心理学

  • 伊藤 万利子
    心理学部 臨床心理学科
    生態心理学、認知科学
    研究概要
    「顧客満足を満たすのがマーケティング」と言われてきましたが、経済が成熟化する社会での顧客満足は、簡単なものではありません。そのため人間の行動観察によって深層心理を探ったり、脳科学の研究を活用して脳にどのような刺激を与えるのかについて考えるようになりました。私はその流れと応用事例について研究しています。また、このような現代マーケティングを学校でどのように教えるのかを、高等学校の先生方と研究しています。(日本商業教育学会北海道部会の「北海道高等学校マーケティング研究会」ではマーケティング教材を作成し公開しています。
    (http://jces-hokkaido.org/marketing/index.html)
  • 大宮 秀淑
    心理学部 臨床心理学科
    最も効果的な「脳トレ」とは、どのようなものなのかについて研究しています。
    統合失調症などの精神疾患患者の記憶力や注意力は、
    適切な「脳トレ」を行うことで改善することが私たちの研究によって明らかにされました。
    これからはさらに児童・生徒の記憶力アップに役立つ研究を進めたいと考えているところです。
  • 河合 直樹
    人文学部 人間科学科
    私の専門分野は、社会心理学(グループ・ダイナミックス)です。社会のなかで起こるさまざまな出来事の原因を、安易に「個人」や「社会」に求めず、人と人、人と環境との「関係性」から考えるのが特徴です。研究者もまた、その関係性の一部です。現場に積極的に入り込み、当事者と一緒に状況の改善に取り組みます。
    研究概要
    現在の主な関心は、書道の社会的意味です。私は、東日本大震災で被災した岩手県野田村において、住民の方を対象にした書道教室を開いています。そこには、嫌いだった書道に没頭し、やがて教室運営を積極的に手伝うようになった中学生や、お互いの過去を自然に語り合って新たな人間関係を築いていく大人の姿があります。どうやら書道は、単なる個人的な趣味や高尚な芸術などではなく、人の心に深くアクセスし、人と人との関係を豊かにする可能性をもっているようです。なぜ、書道が有効なのか。書道が役に立つ社会的状況とはどのようなものなのか。外国語話者に対する書道ワークショップも積極的に開いて、これらの問いを多角的に研究しています。
  • 菊池 浩光
    心理学部 臨床心理学科
    事件、事故、災害時に被る単回性のトラウマティック・ストレスが主たる研究領域です。近年、わが国においては自然災害などで今までの生活が突然奪われるという衝撃的な出来事が各地で起きています。そういう時に人の心はどうなってしまうのか、そこからどのように立ち直っていくのか、といったことがテーマです。また、長年、病院臨床に関わってきているので、心理状態と免疫の関係など心身相関についても関心をもっています。
  • 小林 茂
    心理学部 臨床心理学科
    生活臨床、コミュニティ心理学、精神疾患への認知行動療法
  • 斉藤 美香
    心理学部 臨床心理学科
    病院臨床、大学の学生相談及び障害学生支援を主な研究フィールとしています。青年期の人は社会に出る前に、様々な心理的課題に取り組み、次のライフステージに移行しますが、その中では立ち止まったり、困ったりすることがあります。その困難を乗り越えていくために必要な心理支援について研究を行っています。
    研究概要
    私たちは自分の力で乗り越えることができない困難に遭った際、他者に援助や協力を求めること(援助要請行動)が必要な場合があります。しかし、援助要請行動が適切にとれないために、困難がより大きくなることもあります。このような負のスパイラルを防ぐため、適切な援助要請行動を促進する要因と対策について、青年期のメンタルヘルスに関わる効果的支援方法(自傷/自殺予防、精神的不調、先延ばし対策など)を明らかにする実践研究を行っています。
  • 佐野 友泰
    心理学部 臨床心理学科
    絵は無意識からのメッセージを含むと言われています。カウンセリングでは絵を心の内面を把握するツールとして使用することがあります。では、この絵の解釈は全世界共通なのでしょうか?気候や文化によって相違はないのでしょうか?このようなことを知るために、主として東南アジア各国に赴き、現地で青年から絵やコラージュを集め、それを比較検討するという活動を行っています。
    研究概要
    私の研究していることについて少し専門的にお伝えしたいと思います。カウンセリングの場で、絵や芸術作品は心の内面の「非言語的表現」と呼ばれています。これらを読み取り、カウンセリングに有用な情報を集めるのが私の仕事です。この方法は、特に言葉で心を表現するのが苦手な若者や子供に使われます。ではこの読み取りに「文化や気候、生育環境」は影響するのかを研究しています。例えは、お寺や神社は日本人にとって伝統や冠婚葬祭を意味しますが、欧米の旅行客の方にとっては観光スポットを意味するのかもしれません。特に留学生の多いアジア圏の国々について、国ごとの絵や作品を集め、その特徴と意味を考え、留学生の心理的支援に役立つような仮説を作っています。
  • 鈴木 健太郎
    人文学部 こども発達学科
    発達心理学、生態心理学、認知科学
  • 手代木 理子
    心理学部 臨床心理学科
    小児科における、心理療法の実践研究をしています。他の医療スタッフとともに、臨床心理士として子どもと家族のための心理療法(治療)、発達支援・心理的支援を効果的に行うことを目的とした実践研究です。
    研究概要
    小児科は、乳幼児から思春期のお子さんまで対象になる年齢に幅があり、それぞれの時期によって現れる症状、発達上の課題、対応(治療)が異なります。また、扱われる問題も、発達の問題、心理的な問題、精神的な症状、慢性の病気をもつお子さんと家族に生じる心理的な問題など多岐にわたります。心理療法においても、カウンセリングのような言語的な介入が難しいことが多く、現在取り組んでいるのが、身体指向の心理療法といって、自分自身の身体の状態への気づきを促し、呼吸や身体を緩めることで、副交感神経系を優位にして、心地よい状態を作り、自分自身の神経系を安定させていく治療法です。
  • 友野 貴之
    心理学部 臨床心理学科
    専門は、生態心理学・認知科学・実験心理学です。人が他者や障害物とぶつからずに人混みの中を通り抜けられる仕組みについて研究しています。この研究は「間隙通過研究」と呼ばれています。この間隙通過研究を通して、片麻痺患者のリハビリテーションや拒食症患者の身体知覚、遠隔で操作するロボットの被災地での活用などに応用していく研究をおこなっています。
  • 中村 裕子
    心理学部 臨床心理学科
    ソーシャルワーカーの成長過程
  • 久藏 孝幸
    心理学部 臨床心理学科
    データをあの手この手で解析するのが好きなので、関心を持っている事をいくつも調べていますし、他人の研究のデータ解析を手伝ったりしています。この数年は、文章を品詞毎に切り分けて、その使われ方で人となりの変化を調べてみたり、地域の精神衛生のデータを分析したりしています。
    研究概要
    広く言えば、人間がいろいろな環境の中で考えを変えたり振る舞いを変えたりするような、一言でいえばいろいろな側面の変化の積み重ねが成長となり、それがまた自分らしさを作っていくようなことのプロセスに関心があります。わりと最近調べはじめているのは、ある福祉現場で長いこと実践を積んできた方のその人生に、どんな経験や体験によってベテランとしてのあり方を極めていったのかを、その方の書かれた文章や原稿からその痕跡を調べるということです。僕自身も心理士の端くれですが、この年でも、まだ成長続いているかな?と思いながら仕事しています。ベテランになる事の意味や形が研究の中でわかると、育成にも役立つかなと思うのです。
  • 宮崎 友香
    心理学部 臨床心理学科
    こころの困りごとは、認知(ものの受け取り方、考え方)と行動(ふるまい方)の悪循環で定着してしまうことが知られており、その悪循環を良い循環に変えるための大変役立つ方法として「認知行動療法」があげられます。その認知行動療法が得意としている医療現場では、どのような患者さんにどのように認知行動療法を用いるとより効果的なのか、ということを研究しています。
    研究概要
    精神神経科・心療内科での認知行動療法の研究をおこなってきましたが、最近は身体科医療(身体の病気の治療)における認知行動療法の活用について研究しています。特に、耳鼻咽喉科のめまい疾患やメニエール病、腫瘍内科のがんはこころの影響が強いとされる病気であり、認知行動療法がどのように役立つのかについて研究しています。また、心理アセスメントも専門ですので、心理検査などを用いて、その方のこころの困りごとの悪循環や、その方を全体的に理解する心理アセスメントの研究、特に心理アセスメント自体をこころの治療として用いる治療的アセスメントの研究を進めています。
  • 藤野 友紀
    人文学部 人間科学科
    子どもの育ちとそれを支える場について研究しています。保育園での観察やインタビューをとおして、子どもも大人も共に育ち合う条件を探っています。

    聴覚障害のある学生に対する支援体制について実践研究をしています。誰もが対等に情報を得て自分の力を発揮できる環境を整えることが目標です。
    研究概要
    子どもの育ちとそれを支える場について研究しています。おもしろいことに、子どもがのびのびと育っている場には、必ず保育者や親も育つことのできる条件が整っています。その具体的条件を、保育園での観察やインタビュー調査をとおして探っています。

    聞こえないという身体的特徴をもつ人たちが、聞こえる人が多数派を占める社会の中でどのように言語や文化と出会い、アイデンティティを形成していくのか、そして聞こえない子どもに対してどのような環境が用意されるべきかについて、聴覚障害学生支援実践やインタビュー調査をとおして考えています。
  • 舛田 弘子
    人文学部 人間科学科
    教育心理学、なかでも「文章理解」の過程を研究しています。特に、説明的文章(説明文、論説文、評論文など)において、正しく文章内容を読み取れない場合に、読者の中で何が起こっているのかに関心を持っています。
    研究概要
    私たちは、日頃、雑誌・新聞から小説に至るまで、様々な文章を読み、その中から自分に必要な情報を得ています。しかし私たちは、書いてある内容を常に正しく読みとっているのでしょうか。例えば、自分の嫌いな考え方を何となく素直に読めなかったり、好きな著者の書いたものは、全部正しく素敵に見えたりすることはないでしょうか? これは単純な「国語力」の問題ではなく、私たちの情報処理能力にそのような傾向があることが知られているのです。そのような読み誤りがどのようにして起こるのか、それを防ぐためにはどうすればいいのか、について、研究を重ねています。
  • 村澤 和多里
    心理学部 臨床心理学科
    ひきこもりの若者への心理的支援、児童養護施設の子どもたちへの心理的支援について研究しています。これらは、現在の日本においてとても重大な問題になっていますが、解決の糸口はまだまだ見つかっているとは言えません。むしろ、年をおうごとに新たな問題が付け加わってきているのが現状です。
    研究概要
    20世紀末から21世紀初めにかけて、日本において「ひきこもり」と「児童虐待」の問題が急に注目を集めるようになりました。この背景にはいったい何があるのでしょうか? これが私の研究のメインテーマです。ただし、これらは時代の変化の中で生じてきた問題ですから、解き明かすには、心理学からのアプローチだけでなく、社会学からのアプローチも必要です。このような訳で、私は心理学と社会学の「結び目」に立ち、両方の側面から研究を行っています。また、ひきこもりの若者支援施設や、児童養護施設においてこれらの子どもや若者とも関わりながら「いま必要な支援とは何か」についても模索しています。
  • 森 直久
    心理学部 臨床心理学科
    記憶とコミュニケーションが研究分野です。目撃証言や自白が本当の体験に基づいているかどうかを判別する供述の信用性鑑定と、記憶を歪めずに証言を聴取する司法面接法が主な研究トピックです。記憶を思い出す心の仕組みや、文化や社会のあり方が私たちの認識に与える影響のメカニズムなどの理論的研究も行なっています。
    研究概要
    実際の裁判で信用性が疑われた証言や自白の供述鑑定を、ここ20年ほど続けてきました。供述が体験に基づいているかどうかを確かめようとしても、誰も「正解」を知りません(「正解」がわかったら裁判はいりませんね)。憶えたことをどれだけ正確に思い出せるかという、通常の記憶研究とは異なるタイプの記憶研究です。語る時の内容ではなく形式(語り方)に、供述が本当の体験に基づいているかどうかを判別する鍵がありそうです。このような実践と研究を含めた、私の研究については、こちらで公開されています。私の授業の動画を見ることもできます。 https://www.morichanbroadcast.com/home
  • 山本 彩
    心理学部 臨床心理学科
    発達特性/障害への心理的支援とソーシャルワーク、司法・医療・福祉連携のシステムづくり、発達凸凹の苦労の当事者研究、Community Reinforcement Approach
    研究概要
    「世界はあらゆる頭脳を必要としている」。世界的動物学者であり、自閉症の診断をもつテンプル・グランディンさんの言葉です。世の中には色々なタイプの人がいます。しかし、色々な理由で、ある人は周囲から理解されなかったり、ある人は差別を受けたり、ある人はうまくその力を引き出せなかったりします。私は、テンプル・グランディンさんがもつ自閉症や、注