■対面講座
[講座番号6] 古代の日朝関係のトピックス(3)
定員/50名 受講料/4,800円(全4回)

(講座概要)
  古代の日本は、アジア大陸、とりわけ朝鮮半島から渡来した人々がもたらした制度・技術・文化を受け入れることで、大きく発展してきました。彼らは自発的に来日したり、朝鮮半島の政治的動乱によって亡命したり、または日本の要請によって政策的に招聘された人々でした。日本がこれらの影響の上に独自の文化を築き始めるのは、ようやく奈良時代の中・後半になってからです。朝鮮半島から古代の日本に渡来した人々の大きな波は少なくとも4回ほどあり、彼らが残した史跡は現在もなお本州各地に残っています。本講座では、こうした古代の日朝関係とその交流を示す史跡を画像でたどりながら、朝鮮半島が古代の日本に与えた影響の広さと深さについて考えます。

(講座詳細)
テーマ/講座日時
内  容
1
古代の朝鮮半島の政治的動乱と
日本―伽耶国を中心として


10月3日(木) 【午後】13:30〜15:30

 古く朝鮮半島では、高句麗・百済・新羅・伽耶などの諸国の抗争を経て、新羅が中国の支援を受けてまず伽耶と百済、次いで高句麗を滅ぼして半島を統一します。こうした動乱の度に発生した難民を受け入れ、加えて大和政権が統治の必要から知識・技術に優れた半島人の渡来を要請して、日本の文化の基礎が築かれます。こうした経過を、特に伽耶国を中心に、概観します。
2
応神天皇期から雄略天皇期に
かけての渡来人たち


10月10日(木) 【午後】13:30〜15:30

 『日本書紀』にはツヌガアラシト、アメノヒボコの渡来が記されていますが、応神天皇期には朝鮮半島からの渡来はさらに活発になります。弓月君(ゆづきのきみ)、王仁(わに)、阿知使主(あちのおみ)、倭漢直(やまとのあやのあたい)、今来才伎(いまきのてひと)などです。これらの渡来人が日本にもたらしたものを概説します。
3
謎多き継体天皇の出自と政治

10月17日(木) 【午後】13:30〜15:30

 「磐井の乱」の討伐と「任那」の百済への「割譲」で知られる継体天皇は謎多き天皇です。雄略天皇の五代後と記されるのみで系図がありません。雄略天皇の没後、越の国から迎え入れられながら、樟葉で即位し、乙訓、筒城と遷都し、大和に入ったのは晩年になってです。朝鮮の史書では、継体天皇が没すると同時に親族も亡くなっています。なぜなのか。これらの謎に迫ります。
4
白村江の戦い以後の大和政権と
百済系渡来人


10月24日(木) 【午後】13:30〜15:30

 ご承知のように、663年に朝鮮の白村江で、百済軍とこれを救援した大和の連合軍とが新羅・唐の連合軍と闘い、大敗します。時の天智天皇は唐の日本侵攻を恐れ、対馬、西日本、瀬戸内海の各地に朝鮮式山城を築城し、北九州に大宰府を設置し、平安京から大津へと遷都します。これらの事業に従事したのは白村江の敗戦後に大量に亡命した百済人でした。彼らの活躍の軌跡を追います。
講師/札幌学院大学名誉教授 奥谷 浩一
講師
紹介

奥谷 浩一(おくや こういち) 1946年札幌生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現、札幌学院大学名誉教授。同大学元学長。単著に『哲学的人間学の系譜』、『ハイデガーの弁明』、共著に『ヘーゲル事典』、『環境思想のキーワード』など。本学コミュニティ・カレッジ講座の開講・運営に貢献し、2012年北海道社会貢献賞を受賞する。



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