■オンデマンド講座
[講座番号7] 〈心の病〉の考古学
配信期間/11月7日〜2023年2月28日 受講料/4,000円(全4回)



(講座概要)
 私たちはいつから〈心の病〉を抱えるようになったのでしょう? この講座では、日本の近代化において〈心の病〉という新しい概念が生じるプロセス、西洋哲学における「魂(心)の治療」概念の変遷、近代西洋において「狂気」から「精神疾患」という医学的概念が生まれていくプロセス、そして最後に、現代社会において生まれつつある新しい〈心の病〉について話をします。

(講座詳細)
テーマ
内  容
1
文明開化と〈心の病〉
 明治以前の日本には〈心の病〉という概念は存在しませんでした。それが明治期に西欧医学の「精神病」の概念が導入されるとともに〈心の病〉〈脳の病〉という観念が浸透して行きます。そして新しいタイプの病が誕生するのです。
講師/札幌学院大学心理学部教授 村澤和多里
2
西洋哲学と〈魂〉の治療
 〈魂〉とは何か?〈魂〉を平静に保つためにはどうすればよいか?こうした問題は古代ギリシャから哲学の探求対象の一つでした。現代心理学の源流となった西洋哲学と「魂(心)の治療」との関係を古代から近代へと辿ります。
講師/札幌学院大学非常勤講師 宮野晃一郎
3
ミシェル・フーコー、
ミケル・ボルグ=ヤコブセンと
〈狂気〉の歴史
 古代から存在した「狂気」は近代にどのようにして「精神疾患」となったのか?「精神疾患」の医学的治療は呪術と異なるのか?フーコー『狂気の歴史』とボルク=ヤコブセン『情動的結合』をもとに読み解きます。
講師/宮野晃一郎
4
現代社会とポスト〈心の病〉
 インターネットの急速な発展は私たちの社会の在りようを大きく変えました。それに伴い、私たちの〈心〉のありようも様変わりしています。現代社会の〈心〉を「解離」「依存症」をキーワードに読み解きます。
講師/村澤和多里
講師
紹介

村澤 和多里(むらさわ わたり) 1970年三重県生まれ。北海道大学大学院博士課程満期退学。博士(教育学)、公認心理師、臨床心理士。ひきこもりの若者の支援、児童養護施設での臨床支援を研究している。2011年度より現職。著書に『中井久夫との対話』(共著)『ポストモラトリアム時代の若者たち』(共著)など。

宮野 晃一郎(みやの こういちろう) 1974年生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、札幌圏のあちこちの大学・専門学校の非常勤講師。フーコーを中心に哲学・倫理学・障害学を研究。論文に「フーコーと障害の社会モデル」(『倫理学年報』日本倫理学会、第62集、2013年)など。



精神分析の誕生にも影響を与えたシャルコーのヒステリー患者の治療風景




>>講座一覧に戻る