人間科学科

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【人間科学科】「建国大学ウインタープログラムに参加して」

2011.04.02

お知らせ

「建国大学ウインタープログラムに参加して」


2月12日からの2週間、韓国のソウルにある建国大学へ、韓国語の学習と現地文化との交流を図るプログラムに参加した。一言で言ってしまえば以上だが、語れと言われると何から始めたらいいだろうかと考え込んでしまい決まらない。しかし要するに「行ってよかったです」という言葉をどれだけ程よい長さに引き延ばせるかということだ。どうやら比較的自由に書いてもいいようだけれど、「どこに行って、なにを見て、ひとびとはみな優しかった」なんて刷ったような感想も書きたくないし、思いつくことから始めてなんとなくきりのいいところでまとめようと思う。けれどあの2週間の何をどう切り取るか、本当に悩むところだ。それぐらいにあの期間は私にとって短かく感じられたし、また見たもの感じたことをすべて文章に起こしていたら果てがないほどの濃度を持った時間だった。目を移すたびに大なり小なりの驚きがあって、3秒に一度くらいは国の違いが生む文化の差異に関しての疑問が生まれた。それはきちんとした言葉にもならないイメージのようなときもあったし、たいていは未消化のまま新たな疑問が生まれて上書きされていった。


韓国に行ったのはこれが初めての経験だった。初めての韓国は(当然のことかもしれないけれど)、韓国という国はそもそもが想像の埒外にあったものだった、ということを改めて強く実感する機会となった。異国が育む異文化の異様さと異質さ、私は韓国で、自分の想像力はメイドインジャパンの規格内にあるのだとはっきり自覚した。世界の成分が変わってしまったかのような落ち着かなさを韓国にいた間ずっと感じていたけれど、それは「異国だから」の一言で(頭の中では、留保付では)解決した。カルチャーショックというものがあんなに持続性のあるものだとは思わなかったのだ。
その一方で、おしゃれなカフェや東京を思わせる大きなデパート、立ち並ぶ高層マンションやどこまで続くのかわからない商店街のそこかしこに、たしかに日本と通底している流れのようなものの存在も感じていた。似ていると思う。続けて「流れ」の比喩を使うなら、日本と韓国は隣接し平行して流れる2本の大きな川なのだ、それぞれ形も名前も違うけれど、やはり同じ海から同じ水を引いているのだと思う。


ソウルの中には歴史的建造物と近代的建造物がぎっしりと収められていた。プログラムの一環でソウルを中心とした多くの「観光名所」を訪れた。その中にはテーマパーク的な完全な遊びの場もあって、しっかりとした文化学習のための場もあった。そこにははっきりとした境界線があるのかもしれないが、私にとってはそれは、何もかもが、一般にそれが内面から顕現するときは「ワクワクする」などと形容され、人を動機付けする何かよくわからない大きな感情の、わずかな解消にすぎなかった。


料理、食べ物は総じてものすごくおいしかった。韓国人の友人と観光した時には、屋台で口が発火するような辛い焼き鳥串を食べ、うんこの形をしたパン(名物)を食べ、カラメル焼きを食べ、トッポギを食べ、ビビンバを食べてプルコギを食べた。留学したら太るだろうなと思った。


プログラムの参加者、日本人大学生たちとの情報交換も、すごく意義のあるものだった。彼らの韓国語の勉強法や、日韓の様々な問題に対する態度、動機とその持続の仕方、韓国で得た疑問を一般化するための議論、…韓国に関心がある大学生、という括りの中で話すべきことはたくさんあった。もちろん、日本語の話せないチューターと韓国語で意思疎通のできる学生たちによって、いつか私も、と強く動機付けされたことも、そしてまた目に見える目標を得たことも、今後のために大きな意味を持っていたと言えるだろう。
写真はそんな日本人たちと景福宮(キョンブックン)にての一枚。 

「建国大学ウインタープログラムに参加して」


ところで、そうした2週間の韓国体験を経て、日本へ帰ってきてからというもの、韓国語の勉強に完全に火が付いた。受験の時にもこれぐらい頑張っておけばと思わないでもないけれど、もしこの大学でなかったら、韓国に行くことにはならなかっただろうし、うーん、さあ、どうなんだろう。

人間科学科3年(現4年) 姥谷知宏

  • 発行日: 2011.04.02