人間科学科

Department of Human Sciences

【人間科学科】授業の様子「地域文化演習A」(地域文化専攻)

2023.05.08

お知らせ
今回は人間科学科地域文化専攻の活動として「地域文化演習A」の授業(2年生ゼミ)を紹介します。

本授業の目的は、「地域文化専攻で学ぶ主な分野である考古学、歴史学、言語学そして社会学について概要を学び、それぞれの分野での具体的な問題に討論や実技を交えながら触れ」ることを通して、3年生以降で専門的に学ぶ分野を決めることです。

今年は考古学を専門とする教員が、「考古学とは何か」、「考古学に触れる」というテーマでゼミ生と活動しています。ここでは、「考古学に触れる」の授業を取りあげます。

ご紹介する授業の教室は、大学の近隣に位置する北海道埋蔵文化財センターです。北海道埋蔵文化財センターは、北海道の考古学的な調査研究を担う機関であり、展示を含めた教育普及事業を主に実施しています。

今回は、石器や土器などの考古資料について実物を見ながら理解を深めるとともに、人間科学科の教育目標である『すべての人が尊厳をもち、 支え合って生きていける 「共生社会」を担う地域や社会に貢献できる人材』とはどういうことかを考えるきっかけとして、公共施設における多様な人々の学びを支援する工夫について学びました。

講義風景
展示見学風景
 展示物に目を取られ普段は見逃してしまいがちな音声付き触知案内板や誘導ブロックなどの設備上の工夫に加え、展示パネルなどの文章ではユニバーサルデザイン書体(文字のかたちがわかりやすく、読み間違えにくい書体)が使用されているなど、多様な人々の学びを支援するために様々な点で気配りがなれていることを知ることができました。
  • バリアフリー設備の見学風景
  • 音声付き触知板と点字ブロック
 その中で、講師をつとめていただいた倉橋さんの「すべてのことに対応できているとは言えないが、できる限り工夫して多くの人の学びを支援している」という言葉は印象的でした。きっと、“現地”での試行錯誤と、その積み重ねこそが、「共生社会」の実現へとつながっていくのだと思います。

2回の短い授業時間ではありましたが、ゼミ生のみなさんは考古学や博物館を身近な存在に感じられたようで、3年生以降の学びを決めるための貴重な機会になりました。

※北海道埋蔵文化財センターの見学にあたっては、担当者の皆様の多大なご協力を得ることで実施することができました。厚くお礼申し上げます。
大塚 宜明
  • 発行日: 2023.05.08