〈お知らせ〉マレーシア文化研修プログラム@TAR大学

【国際交流】マレーシア 文化研修プログラム @TAR大学

 昨年の秋に、マレーシアのTAR大学から学生、教職員が本学を訪れた際のプログラムについてレポートをしました。そして2019年に入り、3月2日から9日にかけて今度は本学から学生2名、引率2名がTAR大学を訪ねました。もう少し多数の学生参加を見込んでいたのですが、春休み期間は何かと忙しいようで少なめでした。ただ、それゆえに一つ一つのことを丁寧に確認し踏みしめながら過ごせた一週間だったように思います。

今回は、日々の日記ではなくマレーシア(クアラルンプールに限定されますが)についてみなさんにおしらせしていきたいと思います。本学ではタイ・チェンマイ大学との交流がすっかりおなじみで人気となっていますが、同じ東南アジアのマレーシアに関しては、いまだはっきりしたイメージをつかめていない方も少なくないと思います。
概要
 位置は右図の通りです。日本よりだいぶん南にありますので、私たちが滞在していた間も日中は毎日34度前後でした。 フライトは東京からクアラルンプールまで7時間30分。本数は少ないですが、札幌からの直行便もあります。

マレーシアは他民族国家です。マレー系、中華系、インド系などが混在し、言語もマレー語をはじめ英語、中国語、タミール語などいくつもの言語が話されています。宗教もイスラム教、仏教、ヒンズー教と様々で、モスクや寺院が点在しています。

私たちはTAR大学のゲストハウスに滞在したのですが、毎朝6時半くらいにイスラム教のお祈りの声が外から聞こえてきました。また、最近ではお祈りの時間を知らせるアプリや、外国を旅行するときにはどこでハラールフード(ムスリムの人が宗教的に食べても大丈夫な処理をしている食事)を食べられるかを教えるアプリもあるそうです。
地図
  • ピンクモスク

    数多く存在するモスクの一つ、プトラモスク(通称ピンクモスク)。観光客の集まる スポットにもなっています。

  • ローブを借りて着用

    モスク内に入る時は、靴を脱ぎます。また、女性は肌をあまり露出させてはいけないため、受付でローブを借りて着用します。

  • 矢印

    イスラム教では一日5回、メッカの方角に向かいお祈りをします。私たちのゲストハウスでも、部屋の天井にその方向を示す矢印が貼られていました。

  • ゲストハウス

    今回滞在したゲストハウス"Fern House." 室内にはベッド、デスクのほか冷房、トイレ、シャワーも付いています。

  • 街なかの看板

    街なかの看板は主にマレー語ですが、もちろん英語や中国語も多くあります。こんなのも

食事
多民族、多宗教のため、様々な食事を味わうことができます。TAR大学のキャンパスにも食堂やカフェがいくつかありますが、品揃えは実に豊富で、各自のニーズ、好みにより選んで食べられるので、毎日同じ食堂でも飽きないのではと思います。

大学のカフェテリアに"Japanese"に特化したものはないようですが、すぐ外で学生が「たこ焼き」を作って売っていたりもしました。
クアラルンプール中心部のデパートには、ワンフロア全部が日本食というところもありました。そば、うどんから鉄板焼き、寿司、ラーメンなど… 
日本人の居住者も多いため(定年退職後、マレーシアに移住してくる日本人も増えているとのことです)こうしたレストランを時々利用するそうですが、もちろん現地の人にも日本の食事は人気があります。

韓国の文化もわりと入ってきているようで、韓国料理レストラン、カフェもかなり見かけます。スーパーなどを覗けば、日本の食品(お菓子、調味料などなど)と一緒にたいてい韓国のものも棚に並んでいます。韓国系カフェは日本より多いかもしれません。

とにかく色々な食事が楽しめます。フードコートなどへ行っても選択肢がたくさんあって迷ってしまうほどですが、もしも「とてもありふれたものが食べたい」と思ったときには、マクドナルドやサンドイッチのお店もあるのでご安心を。
  • カフェテリア

    カフェテリアは朝食から利用することができます。マレーシアフードでは、チキンとご飯がお皿に盛られたその名も「チキンライス」が代表的です。

  • 食事の様子

    飲み物は、「お茶」といっても甘いものが多いようです。ちなみに、お店で購入したウーロン茶は大丈夫でした。

  • マレーシア料理

    Nasi Lemakという代表的なマレーシア料理。ご飯には味がついていますが、ちょっとからめのチキンに非常に合います。

  • インド料理

    こちらはインド料理。普通のナンやご飯もありますが、こんなビッグサイズナンも。

  • スープ

    あらゆるものを入れる豪快な中国式鍋料理。仕切りの片側は辛いスープ、もう一方はマイルドなスープ。

プログラム~交流に焦点をあてて
 この辺で、今回のプログラム内容もご紹介しておきましょう。
到着したのが土曜深夜、というよりほぼ日曜の早朝だったので、日曜日は前述のモスクなどクアラルンプール市内を巡りました。TAR大学職員の方2名がずっと同行してくれていました。

TAR大学の学生と交流する機会が始まったのは月曜日。日本語を流暢に話せる学生2名が、キャンパスツアーに参加してくれました。キャンパスは広大で、慣れないとどこをどう歩いていいのかわからないですが、目印となる建物などを覚えておくといいかもしれません。
写真
TAR
 南国の暖かさ(暑さ!)と強い日差しのもとでは、あらゆるものがカラフルでまばゆく感じられます。白い雪一色の季節の北海道から行ったので、特にそうだったのかもしれないですね。
 
今年の3月で創立50周年を迎えたTAR大学は、まだまだ成長しています。大学自体のコンテンツの発展のみならず、国際化を目指しているのは本学と同様です。 もとより他民族のため、諸外国から学生を受け入れるのにも寛容なのではないでしょうか。
 ちなみに、現時点では本学がTAR大学にとっては日本で唯一の協定校のようです。いずれ増えたとしても、第一号であることは変わりませんから非常に誇らしく思います。
右の写真、中央の2名がTARの学生です。
 
その日の夜は中華料理でしたが、昨年10月に本学を訪れたTARの学生も数名集まってくれました!すでに卒業している人もいたのですが、札幌学院大学から人が来る、ということで足を運んでくれたのは、本当に嬉しいことです。
今回、本学からマレーシアを訪ねた学生は2名ともそのTARの学生たちとは初対面でしたが、やはり学生同士は心の距離が縮まるのが早いようで、食事をしながら話が弾んでいました。
記念撮影
  • 夕食

    昨年、本学に来てくれた学生たちも数名集まってくれて、にぎやかな夕食になりました。

  • 夕食

    日本で会ったときはみんな「少しおとなしいのかな?」と思っていたのですが、現地では明るくてよく笑い、リラックスしていました。 やっぱり外国では、いくぶん緊張気味になっていたですね。

  • Petronas Twin Towers

    帰りに外観だけ見て写真を撮った、Petronas Twin Towers.
    日本と韓国が出資して建てたビルです。

 火曜日の午前中は、英語の授業に参加。普段行なわれている授業にお邪魔させていただく形です。
クラスには、イエメンや中国などいくつもの国の出身の学生がおり、年齢も15歳から35歳とバラバラ、マレーシアでの滞在も既に数年になる人から、数ヶ月前に来た人、実に多様でした。
 
日本では英語は公用語ではありませんから、「学校で授業があるからとりあえず…」という人も少なからずいるでしょう。しかしマレーシアでは、まず英語が日常の言語として必要です。生きていくための言葉を身につけるという姿勢を、もっと多くの本学の学生にも体感してほしいと思います。
 
水曜日は、マレーシアの文化とマレー語の学習から。こちらには、男子2名、女子3名のTAR大学の学生が参加してくれていました。
english class
 ゼロからの入門としては若干難しい部分もあったような気がしますが、マレーシアについての動画を見たり、学生同士が会話できる時間があったのが一番です。
マレー語は、スペルも発音も日本人にとっては比較的なじみやすい感じがします。
malayclass
 午後からは、上記のTAR学生とともに昼食も兼ねてクアラルンプール市内の見学へ。
マレーシアの民族舞踊ショでは、司会の女性が観客を上手に乗せてくれて、本学の学生もステージデビュー(?!)しました。
ステージ
クアラルンプールの街並
一国の歴史について語るのは簡単ではありません。なので、マレーシアの歴史については興味のある方がそれぞれに調べてみると興味深い部分がたくさんあることと思います。
マレーシアは、かつてポルトガルやイギリスの支配を受けていた国なので、建物や街並にもまだそうした影響をあちらこちらに見ることができます。

かつて東南アジアは全般的に「発展途上国」の印象が強かったですが、現在ではこのように急速に都市が発達して成長を続けています。昔の趣があった場所や建物が失われていく寂しさもありますが、それは日本でも同じことが言えるでしょう。
また、発展の陰に隠れて貧富の差が広がり、裕福な人々が増える一方でそれに追いつけない人々もいるのも、無視できない事実です。

私たち一般の日本人がマレーシアに観光などで行けば、出会って言葉を交わすのは学生や店員、タクシー運転手その他、ある程度社会に姿を現していす人々ですが、見えない部分で必死で生きている人々がいることも忘れてはならないと思います。

いかがでしょうか。たった1週間、クアラルンプールに滞在しただけではとうてい「マレーシア」全体を語るに至りませんが、初めて行った私には、想像以上に発展した未来都市のように思えました。衛生状態もおおむね良好で(どこでもそうですが、気をつけるべき点は多少はあります)、快適に過ごせます。私たちが出会った人たちも全般的にフレンドリーで親切でした。

今年も本学では、夏にインターンシップ、春休みにはこのような短期文化研修を予定しています。10月には、TARの学生、教職員が来学する予定もあります。ぜひ、どこかの機会にマレーシアの一端に触れてみてください。

滞在中お世話になったTAR大学の教職員のみなさん、Wai Loonさん、Jessieさん、ありがとうございました!

  • 国立繊維博物館

    国立繊維博物館。1905年に鉄道事務局として建てられた歴史的建造物です。イスラムの様式を取り入れています。

  • TAR大学の建物

    TAR大学の建物には、コロニアルスタイルを感じさせる部分があります。南国らしい解放感もあります。

  • インド人街

    市内の一角にあるインド人街。看板などあらゆる部分に「インドっぽい雰囲気(イメージ)」が見られます。

  • KLタワー

    KLタワー(421m)から臨むクアラルンプール市街。超高層ビルが立ち並ぶ大都会です。

  • ARCH

    ARCHは木工芸品などを展示、土産物販売などをしているギャラリーです。カフェなどもあるおしゃれな場所です。

  • 夕食

    中国風鍋の夕食には、再び昨年来学のTARメンバーに会えました。

  • 修了証書

    1週間という短い時間でしたが、参加の証として修了証書をいただきました。

  • 写真
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おまけ写真館

  • おまけ1

    けっこう人気のお店だとか。

  • おまけ2

    「猫山王」って何だろうと思っていたら、ドリアン(果物)の種類だそうで、 ムサンキングと言うそうです。

  • おまけ3

    キャンパス内にあった広告。日本語が少し…おもしろいです。

  • おまけ4

    わりとTAR大学の近くにあり、日本の製品も手に入ります。

  • おまけ5

    Petronas Tower前の噴水。夜には美しくライトアップされます。

  • おまけ6

    Terima kasihはマレー語で 「ありがとう」

  • 発行日: 2019年03月27日