Menu

〈お知らせ〉【法学部】松本祥志教授がモロッコの新聞に掲載されました

【法学部】松本祥志教授がモロッコの新聞に掲載されました

松本祥志教授が、モロッコでは最大の発行部数を誇っているアラビア語で『アル・アーダース・アル・マグリビア』という日刊紙(英語訳すと『モロッカン・ニュース』)の編集長(ラグジウィ氏)よりインタビューを受けましたので、その内容を以下のとおりご紹介いたします。

 1975年以来、モロッコとポリサリオ戦線との間で40年間も続いている西サハラ問題に関する質問に答えたインタビュー記事。英語でのやりとりをエルモスタファ・レズラジ博士(札幌学院大学客員教授)がアラビア語に翻訳した。同紙17ページの囲み記事は、話しているなかで触れた付随的問題についての回答。

最初の質問は、「クリストファー・ロス氏は、西サハラ問題担当の国連事務総長個人特使(Personal Envoy)として適任であるか」であった。個人特使というポストの必要性を西サハラ問題国連事務総長特別代表(Special Representative)という別のポストとの関係で問いただし、またロス氏がかつて米国のアルジェリア大使であったという個人的限界について話した。

次の質問は、ポリサリオ戦線のパトロンであり、事実上の紛争当事者であるのに同戦線の陰に隠れたまま当事者として現われてこない「アルジェリアは、西サハラ問題にどんな利益を感じているか」であった。当初は大西洋への出口を求めるなどの経済的利益を意識していたと思うが、現時点での利害はむしろ政治的であり、この紛争の敗者になりたくないというのが主要な関心だと考えられ、そのため自決権のチャンピオンであったという歴史を利用し、西サハラ人民の分離独立を支援していると思われる。西サハラ領域は、1975年にスペイン、モロッコ、モーリタニアの間で締結された「マドリッド協定」により非植民地化され、モロッコとモーリタニアに返還され、すでに国家領域の一部になったので、分離独立の自決権は適用されえないが、アルジェリアは唯一それを根拠にして西サハラ問題に関わってきたと述べた。

同問題に対するモロッコの対応をめぐる課題についての質問には、主権と施政権の区別を一貫させるべきであり、スペインによる1884年の保護領協定によってモロッコが奪われたのは主権ではなく施政権であり、マドリッド協定により施政権が返還されたと述べた。またポリサリオ戦線の国際違法行為に対するアルジェリアの国家責任や同戦線とテロとの関係にも言及した。

「西サハラ問題は、マグレブ地域にどのような損失を与えているか」という質問には、国連アフリカ経済委員会や世界銀行などの国際機関による調査結果に基づき、同地域の発展が阻害され、多大な経済損失となってきたと答えた。

さらに、ポリサリオ戦線が、ちょうどクリミアのウクライナからの分離独立のように、一方的にモロッコからの独立を宣言した「サハラ・アラブ民主共和国」(SADR)機構について質問された。もともと当時の「アフリカ統一機構」(OAU)事務総長エデム・コジョの独断で事務処理として議席を与え、モロッコはそれに抗議してOAUに出席しなくなった。その状況はアフリカ連合(AU)になってからも変わらない。SADRAU加盟問題について、それは国連憲章でもアフリカ連合規程でも定められている領土保全原則と抵触する恐れがあると指摘した。

新聞記事(左上の写真が松本教授)

アル・アーダース・アル・マグリビア新聞(左上の写真が松本教授)

  • 発行日: 2014年11月18日