〈お知らせ〉後期授業の開始に向けて(学費についての考え方)

後期授業の開始に向けて(学費についての考え方)

2020年9月14日
在学生および保護者の皆様へ
理事長 井上俊彌
学長 河西邦人

 本学は8月15日に前期授業期間の終了を迎え、現在は9月23日の後期授業の開始に向けて準備を進めています。前期期間はほとんどの授業を遠隔方式で実施せざるを得ませんでしたが、後期は半数以上の授業を対面方式で開講することをまずはご報告します。前期中、特に1年生のみなさんはお互いに知り合う機会も十分ではなく、そのために不安も大きかったことを思うと心が痛みます。後期はそうした不安を少しでも取り除けるよう、学生同士、あるいは教職員と積極的に交流できるようゼミナールなどの少人数科目は極力対面式で開講するので、ぜひ充実した学生生活を送ってほしいと思います。
 新型コロナウイルス感染症拡大という未曾有の危機に際して本学は「学則第一条に基づく教育を止めない」(※)ことを基本方針に掲げ、5月4日に道内私立大学の先陣を切ってすべての授業を遠隔方式により開始しました。その準備には遠隔授業の知見・経験を有する教職員を総動員して2週間にわたり連日講習会を開催し、さらには学生の通信環境の調査、大学負担による教科書の送付、通信機器(ノートPCやモバイルWi-fi)の貸し出しを実施して態勢を整えてきました。様々な制約の中でも遠隔授業を十分受けられるよう、全学生(休学者を除く)を対象とした修学支援臨時奨学金の給付を決定したこともその一環です。
 その一方で、大学がどのように態勢を整えても授業が遠隔方式で開講される以上、通常通り学費を納付することに複雑な思いを抱かれることも無理からぬことと存じます。また小中高ではすでに全面的に対面式の授業を再開しているのに、なぜ大学だけが遠隔方式を続けるのか疑問を抱かれる方もあると存じます。私たちは皆様のそうした声・思いに真摯に向き合い、説明責任を果たして高等教育機関としての任を全うする所存です。
 本学を含む多くの大学が遠隔授業を続けざるを得ない理由はいくつかあります。大学は小中高に比べ規模が大きく、本学にも約3,000人の学生と200人を超える教職員が在籍しています。その全員が常にキャンパスにいるわけではないとはいえ、講義ごとにかなりの人数が教室を移動して受講するため、人との接触機会がどうしても多くなります。さらに大学生は課外活動、アルバイトなどを通じた活動の範囲が広いため、市中感染のリスクが一定程度発生します。後期授業開始にあたってはこうした感染リスクの低減に努め、「新しい生活様式」により安心して受講いただけるよう学習環境を整えます。
 次に学費についてですが、これは大学での学修の集大成である学位取得に向けて必要な4年間の修業年限を念頭に置いて編成された教育課程全体に対する経費として位置づけられ、運用されています。そのため、毎学期納付いただいている学費は4年間(大学院の場合は2年間)の教育に対して必要とされる総額を年数で等分したものです。さらに、質の高い教育を維持するために必要な施設・設備も学費により維持され、必要に応じて順次更新されています。これには図書館、体育施設、実習室、クラブ・サークル棟といった建物の維持・更新のための費用のほか、毎年発生する図書館の蔵書整備費用、学内に400台以上ある学生用パソコンの管理費用などが含まれます。学費はこうした教育研究環境の充実のため、中長期的な観点から施設・設備の維持・管理に使われています。

 私たちは地域に責任ある高等教育機関として、皆様から納付いただいた大切な学費を長期的な展望に立って有効活用し、学則第一条が掲げる教育活動を展開することでこれからも社会に貢献して参ります。今回の危機を共に乗り越えられるよう、皆様のご理解とご協力を切にお願いする次第です。


※札幌学院大学学則第一条
「札幌学院大学は、教育基本法及び学校教育法の定めるところに従い、豊かな人間性を涵養し、深く専門的学術を教授、研究することによって広く人類社会の福祉に献身し、特に北海道の産業の発展及び北海道の社会文化並びに道民の福祉の向上に貢献し得る人材を育成することを目的とする」。
 
 
  • 発行日: 2020年09月14日
  • 札幌学院大学 総務課
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